著者
武内 ゆかり 森 裕司 菊水 健史
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

同一犬種内における気質の個体差の遺伝的背景を探る目的で,日本古来の柴犬と使役犬としても名高いラブラドールレトリバー種(盲導犬候補個体)に着目し,柴犬では飼い主による気質評価アンケートと,ラブラドールレトリバー種では訓練士による訓練評価記録と,主に申請者らが同定した気質関連遺伝子の多型との関係を解析した。その結果,柴犬では,他人に対する攻撃性とsolute carrier family 1, member 2遺伝子の一塩基多型が,ラブラドールレトリバー種では,活動性と同多型およびcatecholamine-O-methyltransferase遺伝子の一塩基多型が有意に関連していることが明らかとなった。
著者
平田 聡子 森 裕司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.845-850, 1995-10-15
被引用文献数
12

野生動物など捕獲, 採血が困難な動物種では, 生態研究や繁殖管理を目的に生殖内分泌機能の非侵襲的評価法の確立が待たれている. 糞中性ステロイドホルモン測定は, 糞の採材が動物を拘束する必要はなく容易に行えるため, 最も適していると考えられる. 本研究では反芻動物への応用を目指した研究モデルとして, シバヤギにおける糞中プロジェステロン測定法の確立を試み, 血漿中プロジェステロン濃度の変動との相関について検討を行った. 正常性周期を回帰する雌シバヤギ (n=4) および卵巣を摘出しプロジェステロンカプセルを皮下移植したヤギ (n=2) から糞および血液を経時的に採取し, それらのプロジェステロン濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した. 糞の処理・保存・プロジェステロンの抽出方法について様々な条件で検討を行った結果, -20℃で凍結保存後に乾燥処理 (100℃で1.5時間) した糞0.25gをエーテルで一回抽出する簡便な方法を採用した. 本法による糞中プロジェステロンの回収率は約70%であった. 供試した全ての動物で, 糞中プロジェステロンと血漿中プロジェステロンの一致した変動が観察され, 両者の相関は交配させ妊娠に移行した場合および卵巣摘出ヤギにプロジェステロン処置した場合においても維持されていた. 以上の成績により反狗動物における糞中プロジェステロンの測定は排卵周期や妊娠を知る手段として有効であることが示された.