著者
小坂 和子
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
東洋英和大学院紀要 (ISSN:13497715)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.45-51, 2008

アイヌ文化において、 「神(カムイ)の世界」と「人間の世界」の相互透過性には、中沢の「対象性」理論が機能していることが認められる。この二者関係の心理的変転のなかに、無意識由来の「交流不可能なるエネルギー対象」の出現がみられる。生活することの主体としての意識が、全体性のバランスを回復する方向性にあって、これを受け入れ、享受し、送り届ける、という内的作業の象徴的意味を拡充させつつ、分析心理学的考察を試みた。
著者
塚本 榮一 小坂 和子 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.455-462, 2006

本研究は,学習者の描いたコンピュータのイメージ図を教授者の授業目標に基づいて分類し,成績別にイメージの変化を調べることによって,担当する大学の情報教育の授業を評価・改善する情報を得ようとしたものである.イメージ図は学年の初期と中期に収集され,収集された図は授業目標を基準に4つのカテゴリに分類され,機械群・人間群・関係群・分類不可群と命名された.学習者を学年末試験の成績によって上位・中位・下位の3群に分け,成績別に各カテゴリのイメージ図の数を初期と中期について調査したところ,成績上位群と中位群の学習者によって描かれたイメージ図は変化が少ないが,成績下位群によって描かれたイメージ図は統計的に有意に変化し,機械群のカテゴリが減少し分類不可群が増加していることが明らかになった.本研究の結果,成績下位群のイメージが授業目標から離れていることが示唆され,成績下位群に対する授業改善の必要性が示された.