著者
小塚 晃透 辻内 亨 三留 秀人 福田 敏男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.1654-1659, 1997-10-25
参考文献数
18
被引用文献数
13

超音波の放射圧によるカを利用して, 微粒子を非接触でマニピュレートする手法について, 実験的に検討を行った. 四面形振動子とその焦点位置に設置した反射板間で水中に定在波音場を生成し, 懸濁したアルミナ粒子を投入したところ, 振動子中心軸上に粒子を捕そくすることが可能となった. 更に, 周波数を変化させることで中心軸上を1次元的に移動し, そのときの周波数増分を選択することにより, 整列した粒子群を分離できた.捕そくした粒子は, サブミクロンの分解能で数ミリメートルの距離を移動させることが可能である.
著者
小塚 晃 北川 慎介 南條 暢聡 辻本 良
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.81-86, 2020 (Released:2020-09-12)
参考文献数
20

富山湾では400年以上も前から定置漁業が盛んであり,暖水性の回遊魚を中心に漁獲してきた.主要漁獲物であるブリ, スルメイカおよびホタルイカについて,漁獲変動と海洋環境との関係を調べた.ブリでは,日本周辺海域の海水温の上昇 に伴い分布域がオホーツク海まで拡大し,2000年代後半以降に北海道の漁獲量が急増した.また,南下期である冬季の富 山湾への来遊状況は,12月に山形県沖が暖かく能登半島北西沖が冷たい水塊配置のときに好漁となる傾向が認められた. 富山県沿岸で1月~3月に漁獲されるスルメイカは,日本海北部海域の1月期における水温が低い年に南下経路が沿岸よ りとなり,漁獲量が多くなる傾向があった.日本海北部海域の水温上昇は,冬季の富山湾へのスルメイカの来遊量を減少 させる要因となると考えられる.ホタルイカでは,2008年まで,日本海における主産卵場である山陰沖の5月の水温が高 いと,翌年の富山湾漁獲量が多くなる傾向が認められた.しかし,2009年以降,山陰沖水温環境指標と富山湾漁獲量との 間の関係性が悪くなり,その要因の解明が必要となっている.これらの種は,東シナ海や日本海を産卵場とし,日本海を 広く回遊する.対馬暖流の勢力は,加入量や仔稚魚の分散にも関与し,富山湾への来遊は,日本海の水温や水塊配置に大 きく依存している.地球温暖化やレジームシフトによる海洋環境の変化により,日本海や東シナ海において産卵場や回遊 状況が変化し,長期的に富山湾の漁況が変化していくことが懸念される.
著者
安井 久一 辻内 亨 Judy Lee 小塚 晃透 砥綿 篤哉
出版者
日本ソノケミストリー学会
雑誌
ソノケミストリー討論会講演論文集 18 (ISSN:24241512)
巻号頁・発行日
pp.97-98, 2009-10-23 (Released:2017-07-18)

Ashokkumar et al. [J. Am. Chem. Soc. 129, 2250 (2007)] reported that the intensity of the broad-band noise in acoustic cavitation noise from a low concentration surfactant (SDS) solution is much weaker than that from pure water. In the present study, numerical simulations of acoustic cavitation noise have been performed in order to study the mechanism of the much weaker broad-band noise from aqueous surfactant solution. The results of the numerical simulations have indicated that bubbles are shape stable in a low concentration aqueous surfactant solution due to smaller ambient radius of bubbles than that in pure water. It results in the much weaker broad-band noise because there is much less temporal fluctuation in the number of bubbles which is the origin of the broad-band noise. In other words, in a low concentration surfactant solution stable cavitation dominates, while in pure water transient cavitation dominates. Transient cavitation causes the temporal fluctuations in the number of bubbles resulting in the intense broad-band noise.
著者
小塚 晃透 安井 久一
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

空気中において、超音波の定在波を用いた非接触物体捕捉に関する研究を行った。28kHz の空中超音波音源を試作し、凹面型反射板との間で定在波音場を生成した。実験で物体に作用する力を測定すると共に、数値計算で音圧の分布及び音場中の物体に作用する力を求めたところ、定性的な一致が確認された。良好な条件下では、直径2mm の鉄球を音圧の節に捕捉(浮遊)できることを示した。