著者
野口 知里 小林 身哉 小山 洋一
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.120-128, 2012 (Released:2012-04-24)
参考文献数
25
被引用文献数
3 5

【目的】サプリメントとしてのコラーゲンの経口摂取による効果に関する報告は多いが,食事から摂取したコラーゲン量の詳細に関してはほとんど報告されていない。そこで,男性に比べてコラーゲンの効果に関心が高いと思われる女性を対象にして,食事由来のコラーゲン摂取量を明らかにすることとした。【方法】対象者は20代から50代までの女性61名とし,平日2日間の全食事内容を目安量記録法により調査した。動物性食材中のコラーゲン量は,コラーゲンに特徴的なアミノ酸であるヒドロキシプロリン量から算出した。【結果】20代から50代女性の1日あたりのコラーゲン摂取量は平均 1.9 gであった。全対象者が2日間で摂取した食材ごとの摂取量を算出したところ,肉類からのコラーゲン供給率が60.5%と多く,その中でも特に豚肉由来のコラーゲン摂取量が全体の33.4%と高く,摂取頻度も最も高かった。一方,魚類の摂取頻度は豚肉の7割程度で,摂取量も豚肉の約6割であり,全体として魚類からのコラーゲン摂取量が少ない結果となった。コラーゲンを多く含む魚の皮の摂取率は54.0%であった。さらに,コラーゲンの摂取量は米を主食とした食事で有意に高く,パンと麺を主食とした食事では低かった。この主食別のコラーゲン摂取量の差は,副食の品数に関係していることが明らかとなった。【結論】今回調査した成人女性の1日あたりのコラーゲン摂取量は平均 1.9 gであった。食事からのコラーゲン摂取量には,食材の選択だけでなく主食の種類と副食の品数も関与していることが示唆された。
著者
阿久澤 さゆり 佐野 紘子 石山 緑 前橋 健二 小山 洋一
出版者
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.341-345, 2012 (Released:2022-03-11)
参考文献数
12

The general composition, collagen and sensory profiles were compared between spent laying hen muscle and broiler muscle to determine the best function as a food material. The moisture and fat contents were lower and protein content was higher in spent laying hen muscle than in broiler muscle. The total free amino acid content was lower in spent laying hen muscle than in broiler muscle; however, the collagen content was comparatively higher in spent laying hen muscle. B reast and thigh muscles from spent laying hens had higher mean values of toughness than those from broilers and the mean values of tenderness and juiciness were lower in spent hen muscle than broiler muscle. Our results suggest that spent laying hen muscle would be more suitable for utilization as processed minced meat because it is a collagen-rich food material.
著者
宗 祐人 小山 洋一 中林 正一 八尾 恒良 佐々木 悠 池田 稔 二宮 健
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1083-1084, 1990-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
3

多くの内分泌疾患が受容体異常症の概念で捉えられ注目されている.症例は20才男子.著明な女性化乳房,尿道下裂手術既往,染色体46XY,血中テストステロン, 5αジヒドロテストステロン,エストラジオール高値, LH・RH負荷正常,睾丸生検組織像などよりアンドロゲン不応症のReifenstein症候群と考えられた1例を報告した.本症の本邦報告例は十数例を認めるに過ぎない.