著者
小山 耕平 熊原 康博 藤本 理志
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.1-18, 2017-04-28 (Released:2018-08-19)
参考文献数
29

We examine characteristics of the stone monuments related to flood or debris flow disasters in Hiroshima prefecture based on official records of the past disasters, results of a field survey, and interviews with inhabitants living near the monuments.As a result, there are at least 40 monuments in Hiroshima prefecture in memory of 14 major disaster events dating from AD1831. Most of the monuments are distributed in and around the damaged area. There are located in local community centers, temples, and shrines, where the local people visit frequently.The contents of the inscriptions built during and before World War II, have had plentiful information related to the process of building the foundations of the monuments, and the details of disaster damage and restoration work. The contents inscribed on those monuments built after the war, have mainly implied sentiments about rest for the souls of disaster victims or memorial of restoration work.In conclusion, these monuments have the potential to inform local people about the exact area affected and the situation of past disasters for a long time. There are few cases where local people use the monuments for disaster prevention activities. Although there are currently few cases where local people use the monuments for disaster prevention activities, doing so would definitely prove to be advantageous.
著者
小山 耕平 浅谷 公威 榊 剛史 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.2E5J602, 2019 (Released:2019-06-01)

ソーシャルメディアは世論形成に影響を与えている。特に、特定の情報がソーシャルメディア上にて急速かつ広範に拡散する減少はネット炎上と呼ばれ、政府の政策や企業の株価などに大きな影響を与えている。さらに、新聞やテレビいった従来のメディアがネット炎上を後追いで報道する事例も増加し、ネット炎上の社会的影響力は強くなりつつある。ネット炎上は企業の不祥事などに対して、改善を促す効果がある一方、ネット炎上の対象となることを恐れ、情報発信の萎縮を引き起こしているとの指摘もある。本研究は、「ネット炎上」発生メカニズムの一端を解明することを目的に、Twitter上で高頻度にネット炎上に参加するユーザー群を想定して分析を行った。分析の結果、高頻度でネット炎上に関与する「高頻度炎上関与ユーザー群」の存在が確認され、かつ、高頻度炎上関与ユーザー群は密な情報ネットワークを形成しており、フォロワー数が多いことが確認された。以上の分析より、高頻度参加ユーザーは共振構造を持ち、ネット炎上の拡散に影響を与えていることが推測される。
著者
小山 耕平 福森 香代子 八木 光晴 森 茂太
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.91-101, 2013-03-30 (Released:2017-04-28)
参考文献数
47
被引用文献数
4

スケーリング関係とは、生物の体または器官のサイズと、それらのサイズに伴って変化する構造や機能との関係のことである。スケーリング関係は「べき乗則」で表されることが多い。本稿では、動植物の体サイズと表面積および代謝速度(個体呼吸速度または個体光合成速度)のべき乗則で表されるスケーリング関係について述べる。とくに、動物や植物の個体呼吸が個体重の3/4乗に比例するという「クライバーの法則」を中心に解説する。次に、これらのスケーリング関係を定量的に説明するための基本となる考え方として、相対成長(アロメトリー)、相似則およびフラクタル成長の3点について述べる。最後に、フラクタル成長に基づいたモデルの先駆例として代謝スケーリング理論(WBE理論)を解説し、スケーリング研究の今後の展望を述べる。
著者
八木 光晴 福森 香代子 小山 耕平 森 茂太 及川 信
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.103-112, 2013-03-30 (Released:2017-04-28)
参考文献数
97
被引用文献数
5

生物の個体当たりのエネルギー代謝速度と個体サイズ(体サイズ)の関係(代謝スケーリング:metabolic scaling)を探る研究の歴史は古く、生理学、生態学、農学、水産学や薬理学など様々な学問の基礎をなしてきた。代謝スケーリング関係には、異なる体サイズを示す種の集団(代謝速度の系統発生)を対象とする場合と、ある種における様々な体サイズからなる個体の集団(代謝速度の個体発生)を対象とする場合とがある。過去の研究の多くは、哺乳類や鳥類などの代謝速度の系統発生を対象としてきており、代謝速度の個体発生は無視されるか、代謝速度の系統発生と同じであるかのように曖昧に扱われてきた。その一方で、代謝速度の系統発生と代謝速度の個体発生の生物学的な意味は明確に異なっており、両者は厳密に区別されるべきとの指摘もなされてきている。そこで本論では、代謝速度の系統発生と個体発生の違いの整理を試みる。さらに、代謝速度の個体発生が、これまで生態学において重視されてきた「食う-食われるの関係」をはじめとする生物間相互作用と密接に関係し合っていることの実証例を紹介し、今後の研究の方向性について議論する。
著者
小山 耕平 福森 香代子 八木 光晴 森 茂太
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.91-101, 2013-03-30
被引用文献数
4

スケーリング関係とは、生物の体または器官のサイズと、それらのサイズに伴って変化する構造や機能との関係のことである。スケーリング関係は「べき乗則」で表されることが多い。本稿では、動植物の体サイズと表面積および代謝速度(個体呼吸速度または個体光合成速度)のべき乗則で表されるスケーリング関係について述べる。とくに、動物や植物の個体呼吸が個体重の3/4乗に比例するという「クライバーの法則」を中心に解説する。次に、これらのスケーリング関係を定量的に説明するための基本となる考え方として、相対成長(アロメトリー)、相似則およびフラクタル成長の3点について述べる。最後に、フラクタル成長に基づいたモデルの先駆例として代謝スケーリング理論(WBE理論)を解説し、スケーリング研究の今後の展望を述べる。