著者
鈴木 陽一 橋本 明記 小島 政明 田中 祥次 木村 武史 斉藤 知弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.212, pp.19-24, 2009-09-22

今後の放送の大容量化や通信との親和性を考慮した方式として,高度衛星デジタル放送伝送方式がARIB STD-B44として国内標準規格となっている.本方式では,誤り訂正符号としてLDPC符号を採用するとともに,ロールオフ率0.1の採用により現行BSデジタル放送方式と同じサービス時間率を確保しつつ,伝送容量が約30%増加した.本方式には,「今後の周辺技術の進展により利用可能となる方式」として,さらなる大容量伝送が可能な振幅位相変調方式も採用されている.本方式ではπ/2シフトBPSK,QPSK,8PSKに加え,16APSK,32APSKの5種類の変調方式が選択可能である.本方式で用いるLDPC符号の検査行列は符号長44880ビットのLDGMタイプであり,11種類の符号化率が利用可能である.本報告では,まず初めに,高度衛星デジタル放送伝送方式に適用する誤り訂正符号の要求条件を述べる.次に,高度衛星デジタル放送伝送方式の構成について述べ,LDPC符号を設計する上で必要な伝送フレーム構成を示す.続いて,高度衛星デジタル放送伝送方式用LDPC符号に用いる検査行列の設計指針として,サイクル4,6の除去方法について述べ,11種類の符号化率に対する検査行列パラメータを明らかにする.また,計算機シミュレーションによるBPSK,QPSK,8PSK変調を用いた場合の白色雑音下での伝送特性結果を示す.次に,16APSK,32APSKについて,LDPC符号を用いた場合に白色雑音一定の元で最小BERを満たす最適半径比の設計指針を示し,最適半径比を16APSK,32APSKに適用した場合の伝送特性結果を示す.
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.957-966, 2009-07-01
被引用文献数
9 1

Three channels, which will cease to be used for analog satellite broadcasting in July 2011 and 4 channels of the BS-17 19, 21, and 23ch, which were assigned to Japan at the WRC-2000, will be used for new digital broadcasting services after 2011. In these channels, a new broadcasting system called "Advanced Digital Satellite Broadcasting System" will be available as well as the current ISDB-S one. The new system can increase transmission bit rate by 30%compared with the current ISDB-S system by using LDPC codes and a roll-off factor of 0.1. The Association of Radio Industries and Businesses (ARIB) conducted evaluation tests to acquire its C/N-BER and synchronous performance as well as confirm how well the TMCC signal functions. Demonstrative tests to transmit Super Hi-Vision were also performed. The tests were done using a satellite simulator and a real satellite transponder. The tests showed that the system performed very well, and the details are reported here.
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.1-6, 2008-12-11
参考文献数
8
被引用文献数
5

2011年7月のBSアナログ放送の終了により解放される3チャンネルと2000年の世界無線会議(WRC-2000)で新たに追加割り当てされた4チャンネルが新たなデジタル放送に利用可能となる。これらのチャンネルでは従来のISDB-Sに加え、2008年7,月に情報通信審議会から答申された高度衛星デジタル放送方式も利用可能となる。本方式では、LDPC符号と低ロールオフ率0.1を採用し、伝送容量をISDB-Sに比べ30%以上拡大できる。ARIBでは本方式の審議の過程で機能と性能を確認するため、擬似中継器と放送衛星を用いた実証実験を行った。本稿ではこの実証実験の詳細について報告する。