著者
海野 雅史 松本 英之
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.107-115, 2004-02-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
36
被引用文献数
2 4

Octasilacubane is an intriguing polyhedral polysilane because of its unique electronic properties arising from highly strained Si-Si σ-bonded framework. The first octasilacubane, octakis (t-butyldimethylsilyl) octasilacubane was reported by our group in 1988, as the first example of Platonic solid compounds comprising Group 14 elements other than carbon. We then prepared the alkyl-substituted one (ThexSi)8 (Thex = 1, 1, 2-trimethylpropyl) in 1992. These octasilacubanes are fairly stable, and various reactions, e.g., halogenation, oxidation, and photoreaction have been reported. Thus, the reaction of (ThexSi)8 with PCl5 leading to dichlorides via skeletal, rearrangement, the halogenation with Br2 or I2 leading to dibromides or diiodides, and the reductive dehalogenation of these dihalides with sodium to regenerate (ThexSi)8. Photo-initiated partial oxidation with DMSO gave monooxaoctasilahomocubane and dioxaoctasilabishomocubane. In this paper, in addition to these reactions, structure, thermal property, photoluminescent property, and UV property of octasilacubanes were summarized.
著者
谷本 昌太 松本 英之 藤井 一嘉 大土井 律之 山根 雄一 若林 三郎
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.4, pp.312-319, 2009 (Released:2016-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

1. カプロン酸高生成酵母と発酵力の高い酵母の混合醸造を行い,もろみにおける両酵母菌数および諸成分の経日変化を比較した。2. 広島吟醸酵母は,KA-4と比べてもろみ中での酵母菌数が少なかった。全酵母菌数に対する広島吟醸酵母の菌数の比率は,もろみ初期から減少し,もろみ中期に約10-60%に減少した。3. 広島吟醸酵母の添加比率が増すにつれてもろみ中のアルコール濃度および酸度が低くなり,ボーメの切れは緩慢となった。4. もろみ中の香気成分については,広島吟醸酵母の添加比率が増すことにより,もろみ期間を通じてカプロン酸エチルおよびカプロン酸は高く,酢酸エチル,酢酸イソアミルは低くなった。一方,有機酸については,リンゴ酸およびコハク酸が低下した。5. 広島吟醸酵母とKA-4を混合醸造することで,もろみの発酵力を改善するとともに,酒質を変化させることが可能であった。また,もろみ中のカプロン酸エチル濃度の違いは,広島吟醸酵母の酵母菌数に応じて生成されたカプロン酸が広島吟醸酵母およびKA-4によりエステル化を受けているためと推察された。尚,本研究の一部は,平成16年度日本醸造学会大会において発表した。
著者
松本 英之
出版者
大阪市立大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-04-01

脳内報酬系の主要コンポーネントであるドーパミン細胞の活動は、人工知能で利用される強化学習の強化信号に類似していることが知られる。本研究では、近年多様性が明らかになってきているドーパミン系の投射回路別の情報処理機構の解明を目指す。大規模神経活動記録法と光遺伝学を組み合わせ、自由行動中の動物の単一ドーパミン細胞活動をライブでモニタリングする系を確立する。さまざまな認知課題を行い、シンプルな外界入力から、より複雑な環境構造に関する情報など、ドーパミン細胞がどのようにコードしているのか調べる。報酬系が投射回路別に並列的に情報処理する仕組みを理解することで、汎用人工知能の構築に貢献することを目指す。
著者
松本 英之
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.216-221, 2012-08-01 (Released:2014-08-30)
参考文献数
40

経頭蓋磁気刺激法 (transcranial magnetic stimulation: TMS) の最も基本的な刺激法として, 単発刺激法 (single-pulse stimulation) が挙げられる。その単発刺激法で最も普及している評価項目は, 神経根刺激法と組み合わせて測定する中枢運動伝導時間 (central motor conduction time: CMCT) であろう。その応用として, 通常のCMCTの測定に脳幹刺激法や馬尾起始部刺激法を組み合わせる方法が存在し, より詳細に皮質脊髄路の伝導を評価できる。また運動野の同定, 神経可塑性, 大脳皮質の興奮性, 脳梁伝導, 大脳皮質信号連絡の評価などにも応用可能である。更に中枢神経の解析に限らず, 末梢神経近位部病変の検出にも用いられる。このように単発刺激法は, TMSの基本でありながら, 実に様々な有用な解析方法を有している。

1 0 0 0 OA 12.筋無力症

著者
松本 英之 宇川 義一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.8, pp.1994-2000, 2013-08-10 (Released:2014-08-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3 3

重症筋無力症では抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体の他に,筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体が発見され,その抗体の種類により臨床像が異なることが判明した.また胸腺摘出術のメタ解析で有効性が証明されず,また治療の選択肢が増加しており,治療方針が大きく変化している.Lambert-Eaton筋無力症候群は,肺小細胞癌などの悪性腫瘍の治療の進歩により,症状の改善が期待されるようになっている.
著者
松本 英之 宇川 義一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.1076-1083, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10

脳脊髄液減少症は,従来,低髄液圧症候群と呼ばれていた疾患とほぼ同一の病態の疾患である.その病態が脳脊髄液の減少に起因すると考えられるため,脳脊髄液減少症がより適切な疾患名となっている.脳脊髄液の減少により,頭痛,頸部痛,めまい,耳鳴,視機能障害,倦怠・易疲労感など様々な症状を呈する疾患と定義される.本疾患の診断に有用な画像診断法には,頭部MRI(magnetic resonance imaging)やRI脳槽・脊髄液腔シンチグラムが挙げられ,治療は安静臥床,輸液による保存的治療と硬膜外自家血注入療法が一般的である.脳脊髄液減少症は未だ医療関係者の間でも十分に認識されているとは言い難く,しばしば誤った診断,治療がなされている.現在,厚生労働省の班会議「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究」で,脳脊髄液減少症の診断・治療指針(ガイドライン)の作成を目標とした研究が進行中であり,その調査結果が待たれるところである.
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.957-966, 2009-07-01
被引用文献数
9 1

Three channels, which will cease to be used for analog satellite broadcasting in July 2011 and 4 channels of the BS-17 19, 21, and 23ch, which were assigned to Japan at the WRC-2000, will be used for new digital broadcasting services after 2011. In these channels, a new broadcasting system called "Advanced Digital Satellite Broadcasting System" will be available as well as the current ISDB-S one. The new system can increase transmission bit rate by 30%compared with the current ISDB-S system by using LDPC codes and a roll-off factor of 0.1. The Association of Radio Industries and Businesses (ARIB) conducted evaluation tests to acquire its C/N-BER and synchronous performance as well as confirm how well the TMCC signal functions. Demonstrative tests to transmit Super Hi-Vision were also performed. The tests were done using a satellite simulator and a real satellite transponder. The tests showed that the system performed very well, and the details are reported here.
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.1-6, 2008-12-11
参考文献数
8
被引用文献数
5

2011年7月のBSアナログ放送の終了により解放される3チャンネルと2000年の世界無線会議(WRC-2000)で新たに追加割り当てされた4チャンネルが新たなデジタル放送に利用可能となる。これらのチャンネルでは従来のISDB-Sに加え、2008年7,月に情報通信審議会から答申された高度衛星デジタル放送方式も利用可能となる。本方式では、LDPC符号と低ロールオフ率0.1を採用し、伝送容量をISDB-Sに比べ30%以上拡大できる。ARIBでは本方式の審議の過程で機能と性能を確認するため、擬似中継器と放送衛星を用いた実証実験を行った。本稿ではこの実証実験の詳細について報告する。