著者
篠田 知和基 吉田 敦彦 丸山 顕徳 松村 一男 中根 千絵 鈴木 正崇 不破 有理 服部 等作 山田 仁史 立川 武蔵 後藤 敏文 荻原 真子 木村 武史 後藤 明 廣田 律子 近藤 久美子 竹原 新 坂井 弘紀 諏訪 春雄 小松 和彦 鷹巣 純 栗原 成郎 依田 千百子
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

世界神話の基本的な二元構造を日本神話、ギリシャ神話、エジプト神話、インド・イラン神話、オセアニア神話、シベリア神話、アメリカ神話などにさぐった。明暗、水中の火、愛の二元性、罪と罰、異界と常世などのテーマでシンポジウムをおこない、それぞれの論文集を刊行した。生死、善悪の問題はそのつど検討された。最後は聖と穢れについて総括討論会をおこなった。その結果、世界神話は聖なるものを水中の火のような矛盾した概念のなかに追及するものであることがあきらかになった。
著者
木村 武史 KIMURA Takeshi
出版者
筑波大学人文社会科学研究科 国際地域研究専攻
雑誌
筑波大学地域研究 (ISSN:09121412)
巻号頁・発行日
no.39, pp.39-56, 2018

This paper attempts to examine the symbolic representation of Windigo, the cannibal monster, feared by the Algonquian people such as the Anishinabe and the Cree in the Northeastern North America. The first section introduces the topic. The second section, mainly based upon recent scholarly work by S. Smallman, reviews a history of the scholarly works on Windigo and presents the perspective to be taken for this paper. In the third section, it examines the historical changes of the Windigo images. As the historical phenomenon, the so-called Windigo Psychosis ceased to be reported by the end of the 19th century. The image of Windigo continues to be referred to by both the native people and the American-Canadian people. While this paper recognizes the contemporary native representation of Windigo as a proof of cultural creativity, it also sees historical changes in the religious perception of the image of Windigo with the recognition of etymological resemblance between the indigenous terms of owl and Windigo. In the fourth section, while admitting the importance of the moral interpretation of Windigo narrative, this paper tries to read the bodily experiential dimension as the location of religious fear of Windigo. Paying a special attention to the shamanistic narrative of Windigo, this paper attempts to read the religious meaning of personal transformation induced by the spiritual possession by Windigo.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 松崎 敬文 田中 祥次 木村 武史 土田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.193, pp.7-12, 2013-08-29

スーパーハイビジョンなどの大容量伝送の実現に向けて,周波数利用効率,所要C/N改善を目指した伝送方式の検討を進めている,強力な訂正能力を有するLDPC符号と,集合分割法を用いた符号化変調を組み合わせた性能評価は,特に衛星伝送路の特性を考慮した環境化では十分な検討がなされていない.本稿では,集合分割法と,LDPC符号とBCH符号による連接符号を, 8PSKに適用して符号化変調を構成し,同方式に適した伝送フレーム構成を提案する.提案方式では,最もユークリッド距離が広がる最下位ビットには, BCHパリティのみを付加し,上位2ビットについては,それぞれBCH符号と白色雑音下において最も伝送性能が良くなる符号化率のLDPC符号の連接符号を付加する.本稿では,上位2ビットに適用するLDPC符号の符号化率をパラメータとし,白色雑音下における伝送性能を計算機シミュレーションにより評価し,伝送性能が最も良くなる符号率の組み合わせを導出するとともに、12GHz帯衛星伝送路を模擬した伝送路モデルにおける伝送性能について計算機シミュレーションを行い,従来方式(ARIB STD-B44)に対する本方式の性能改善効果を報告する.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 田中 祥次 木村 武史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.179, pp.27-32, 2011-08-18

筆者らは21GHz帯放送衛星によるスーパーハイビジョン放送システム実現を目指し,衛星放送を利用したスーパーハイジョン伝送方式の検討に取り組んでいる.本稿では,これまで取り組んできた衛星を利用したスーパーハイビジョン伝送実験を紹介するとともに,誤り訂正符号としてLDPC符号を適用した300MHz級広帯域変復調器の開発について述べる.本装置は,変調方式2種類(Q/8PSK),符号化率8種類(1/2〜9/10)利用可能であり,シンボルレート250Mbaudにおいて251〜677Mbpsの伝送能力を有する.また,LDPC符号はシャノン限界に迫る性能を有するため,復調器の要求条件として訂正限界C/N下でも十分な同期性能を維持する必要がある.今回,π/2シフトBPSK位相基準バースト信号を,主信号に対して間欠的および周期的に挿入する手法を導入し,同期性能の向上を確認した.本報告ではモデムの基本性能であるIF折返しによるC/N-BER特性および位相基準バースト信号の挿入による同期性能向上効果について述べるとともに,WINDS衛星を利用した衛星折返しによる伝送性能についても報告する.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 小島 政明 田中 祥次 木村 武史 斉藤 知弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.212, pp.19-24, 2009-09-22

今後の放送の大容量化や通信との親和性を考慮した方式として,高度衛星デジタル放送伝送方式がARIB STD-B44として国内標準規格となっている.本方式では,誤り訂正符号としてLDPC符号を採用するとともに,ロールオフ率0.1の採用により現行BSデジタル放送方式と同じサービス時間率を確保しつつ,伝送容量が約30%増加した.本方式には,「今後の周辺技術の進展により利用可能となる方式」として,さらなる大容量伝送が可能な振幅位相変調方式も採用されている.本方式ではπ/2シフトBPSK,QPSK,8PSKに加え,16APSK,32APSKの5種類の変調方式が選択可能である.本方式で用いるLDPC符号の検査行列は符号長44880ビットのLDGMタイプであり,11種類の符号化率が利用可能である.本報告では,まず初めに,高度衛星デジタル放送伝送方式に適用する誤り訂正符号の要求条件を述べる.次に,高度衛星デジタル放送伝送方式の構成について述べ,LDPC符号を設計する上で必要な伝送フレーム構成を示す.続いて,高度衛星デジタル放送伝送方式用LDPC符号に用いる検査行列の設計指針として,サイクル4,6の除去方法について述べ,11種類の符号化率に対する検査行列パラメータを明らかにする.また,計算機シミュレーションによるBPSK,QPSK,8PSK変調を用いた場合の白色雑音下での伝送特性結果を示す.次に,16APSK,32APSKについて,LDPC符号を用いた場合に白色雑音一定の元で最小BERを満たす最適半径比の設計指針を示し,最適半径比を16APSK,32APSKに適用した場合の伝送特性結果を示す.
著者
山中 弘 木村 勝彦 木村 武史 笹尾 典代 寺石 悦章 松井 圭介
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、宗教の適応的変容と再構築の側面を教会や社寺、自然的景観、迫害や殉教が起こった場所など、様々な「トポス」がもつ「聖性」に焦点を当せながら、その変容を、それを促す大きな要因の一つと考えられる「ツーリズム」との関わりのなかで明らかにしようというものである。近代社会における、交通網の発達、テクノロジーの飛躍的発展は、本来的に「聖なる場所」がもっていた限定性、秘匿性を無意味化し、だれでもがそこにアクセスすることを可能にした。とくに、ツーリズムの発展は「場所の聖性」の性格やあり方に容赦ない変更を加え、それを観光の新たな「商品」に仕立て上げようと試みている。長崎県の外海、平戸、五島列島といった地域において、これまでごく少数の人々にとってしか特別な意味をもっていなかったキリシタンの殉教地や聖地さえも、容赦なく「観光のまなざし」に曝されることになったのである。しかし、その過程で、教会や社寺、殉教地などの「場所」をめぐる新たな「語り」や「伝統」を再構築させる契機となっているようにもみえる。それは、沖縄のように、場所の聖性のもっともアーカイック形態である「御嶽」を、沖縄の根本的な宗教・伝統文化という「語り」のなかに包摂することで、自らの文化的アイデンティティを積極的に構築していこうとする試みにもつながっていく。もちろん、ツーリズムはつねに伝統的な聖地を変化させるわけではなく、ツーリズムに密接に関わる関連産業が聖地のもつ「真正性」、「歴史性」を利用して、伊勢神宮の参道に誕生した商店街のように、新たなマーケットの開拓をおこなう場合もある。さらにまた、出雲地域の「神在祭」のように、現代的ツーリズムの影響とは直接関わりなく、祭りとその場所が様々な要因によって歴史的に変化している場合もあり、「場所の聖性」の変容は必ずしも近代的現象でないことは注意する必要があろう。
著者
渡邉 和男 河瀬 真琴 マシウス ピーター 西川 芳昭 松井 健一 阿部 健一 香坂 玲 阿部 健一 香坂 玲 院多本 華夫 渡邊 高志 磯崎 博司 藤村 達人 箕輪 真理 木村 武史 王 碧昭 伊藤 太一 帳 振亜
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

農業食糧及び薬用遺伝資源の多様性について、国境を超越して生存する少数民族に関わり農家保全の実地・実験調査を実施した。ミャンマー北部、ミャンマー、タイとラオスの国境地帯について山間部を主体に研究を実施した。過剰開発や貨幣経済の浸透、さらに不均衡な情報の供給と啓蒙の欠如で、在来の植物遺伝資源が絶滅危惧になっていることやその伝統的文化に支援された知見が急速に失われてきていることがわかった。モノグラフや公的機関の報告書として情報発信した。
著者
篠田 知和基 松村 一男 丸山 顕徳 目崎 茂和 不破 有理 廣田 律子 服部 等作 荻原 真子 栗原 成郎 吉田 敦彦 諏訪 春雄 栗原 成郎 三原 幸久 中根 千絵 鷹巣 純 目崎 茂和 後藤 明 丸山 顕徳 依田 千百子 松村 一男 岡本 久美子 立川 武蔵 小松 和彦 百田 弥栄子 小南 一郎 鈴木 正崇 門田 真知子 蔵持 不三也 不破 有理 服部 等作 広田 律子 荻原 真子 木村 武史 宮本 正興 クネヒト ペトロ 水野 知昭 中堀 正洋
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

「ユーラシアの神話の道」「海洋神話」につづき、主として天空の神話を世界神話においてしらべて比較し、そこから各文化の世界観、すなわちコスモロジーを究明した。天空神話としては日月、風、星辰、それに「天界」の神話をとりあげた。
著者
山中 弘 木村 勝彦 木村 武史 笹尾 典代 寺石 悦章 松井 圭介 平良 直
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、特定の場所をめぐる宗教的集合記憶と観光的文化資源との多様な関係の在り方を検討するために、長崎県の平戸市根獅子町、新上五島町、山形県出羽三山、沖縄、中米グアテマラを対象とした調査を実施した。伝承された宗教的集合記憶は、ツーリズムを梃子にした集落の再生の試みの進展に伴って再編成されつつあり、その動きに大きな影響を持っているのがメディアと世界遺産指定である。また、聖地の持続的な管理とツーリストの倫理的行動を要請している。