- 著者
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阿古 智子
小島 朋之
中兼 和津次
佐藤 宏
園田 茂人
高原 明生
加茂 具樹
諏訪 一幸
- 出版者
- 学習院女子大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
急成長を続ける経済発展、世界の投資を吸収し続ける中国市場、その拡大する市場を武器にした外交戦略、等々、いまや中国を抜きには世界もアジアも、また経済も政治も語ることはできない。しかし一方では、日中間をはじめとして、さまざまな緊張要因をも中国は作り出している。中国国内に目を向けると、経済発展の裏で貧富の格差は拡大し、また腐敗は深刻化し、人々と政府との緊張関係は時には暴動となって表れている。こうした中国の国内、国際問題は、一面からいえば全て中国政治および社会の統治能力(ガバナビリティ)と統治のあり方(ガバナンス)に強く関連している。本研究は、現代中国の政治、社会、経済におけるガバナンス構造とそのための制度形成に注目し、中国社会がどのような構造問題に直面しているのか、またどのように変わろうとしているのか、という問題について、国際的学術交流をつうじてとらえ直そうとしたところに意義がある。本年度は、2009年2月9-11日にフランス・現代中国研究センターとの共催で、香港フランス領事館文化部会議室にて、総括を行うための第3回国際ワークショップを開催した。オーストラリア国立大学、香港バプティスト大学、米・オバリンカレッジなどの研究者らと共に研究成果を発表し、現代中国のガバナンスの特徴と変容について、経済・社会・政治の各分野から、積極的に議論を行った。ワークショップで議論した内容は、今後、フランス・現代中国研究センターの発行する学術誌に各々の論文や特集として発表するか、メンバー全員の論文を一つにまとめ、1冊の書籍として刊行することを目指している。日本の研究者が海外に向けての発信力を高めるという意味でも、当研究は一定の成果があったと言える。