著者
煙山 千尋 小川 千里
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-21, 2021 (Released:2021-09-27)

本研究の目的は,大学生アスリートの家族・家族的関係にある者への心理的依存尺度を作成し,スポーツ推薦入学経験の有無による依存性得点の違いを検討することであった。調査は,4年制体育系大学に所属する大学生アスリート311名(男性=202,女性=108,不明=1,平均年齢=19.59,SD=0.76)に対して実施され,対象者の属性,大学生アスリート版依存性測定尺度の原案,依存性についての測定尺度について回答を求めた。分析の結果,信頼性と妥当性のある4因子28項目の大学生アスリート版家族ら関係依存性測定尺度が開発された。また,スポーツ推薦群が一般学生群と比較して全ての依存性得点が有意に高い結果が認められた。これらの結果から,トップ・アスリートにおいて,選手と親や指導者との根深い依存関係が維持され,自立が先送りにされている可能性が高い。そのため,親や指導者との関係を再構築し,アスリートの主体性を育む支援が必須であると考えられる。
著者
煙山 千尋 小川 千里
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-21, 2021

本研究の目的は,大学生アスリートの家族・家族的関係にある者への心理的依存尺度を作成し,スポーツ推薦入学経験の有無による依存性得点の違いを検討することであった。調査は,4年制体育系大学に所属する大学生アスリート311名(男性=202,女性=108,不明=1,平均年齢=19.59,SD=0.76)に対して実施され,対象者の属性,大学生アスリート版依存性測定尺度の原案,依存性についての測定尺度について回答を求めた。分析の結果,信頼性と妥当性のある4因子28項目の大学生アスリート版家族ら関係依存性測定尺度が開発された。また,スポーツ推薦群が一般学生群と比較して全ての依存性得点が有意に高い結果が認められた。これらの結果から,トップ・アスリートにおいて,選手と親や指導者との根深い依存関係が維持され,自立が先送りにされている可能性が高い。そのため,親や指導者との関係を再構築し,アスリートの主体性を育む支援が必須であると考えられる。
著者
小川 千里 高橋 潔
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は,プロスポーツ選手の現役引退に伴っておこるキャリア上の諸問題を,経営学的視点から明らかにし,第二の職業人生に対する望ましい支援の方法について検討することを目的に行われた。プロスポーツ選手のキャリア・トランジションに関して,(元)Jリーガーと既存の支援システムを対象とした定性的調査を実施した。その結果,スポーツ選手の引退とその後のキャリアへの移行の実態を詳らかにした。そして「現役時代」の行動や考え方の傾向と周囲の人の属人的な要素が,引退に関する「内的キャリア」や支援に影響を与えること,選手個人が引退に伴う心理的激動を受容するために望ましい支援の特徴と組織の在り方を見出した。