- 著者
-
田村 洋人
小川 恭平
竹内 俊貴
鳴海 拓志
谷川 智洋
廣瀬 通孝
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
- 巻号頁・発行日
- vol.112, no.106, pp.43-48, 2012-06-19
- 参考文献数
- 8
本研究は,ライフログを分析して未来のタスクの進捗状況を予測・提示するシステムを構築し,ユーザに円滑なタスクの進行を促すことを目的とする.ここではタスクを,予定以外の時間を割いて行う,努力を伴う作業とする.人々の行動を記録・分析した結果,行動を「予定・タスク・余暇・移動・食事・睡眠」の6項目に分類し,各行動に当てた時間をライフログとして取得することとした.また,長期間に渡り行動時間を記録した結果,行動時間を蓄積したライフログとスケジュール情報から将来タスクに費やせる時間を予測できることがわかった.そこで,人々に馴染みのある日記を模したインタフェースに未来のタスクの進捗状況を提示するシステム「未来日記」を開発した.被験者を対象とした評価実験により,予測を提示することで,タスクを円滑に進めるようユーザを促せたことが確認された.また,未来の情報は日常生活においてタスクを進める上で効果的に働き,未来日記の有効性は高いという評価を得た.未来のタスクの進捗を,見慣れた日記形式で直感的に把握することで,ユーザのタスクの進行が促進されたものと考えられる.