著者
山口 徳郎 立澤 茂 野中 雅人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.29-33, 2012-06-19

デジタル広告用ディスプレイをはじめとして,金融店舗や空港ロビーなどの公共空間に複数のディスプレイが配置されている.これら公共ディスプレイと利用者の持つモバイル端末が連携することで,様々なサービスが提供されている.本稿では,モバイル端末の内蔵センサと公共空間に置かれた環境カメラを活用して,利用者のジェスチャ情報の時間的な一致に基づいた公共ディスプレイとモバイル端末とのペアリング方式を提案し,本方式を利用したアプリケーション例について報告する.
著者
鳴海 拓志 伴 祐樹 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.111, no.235, pp.63-68, 2011-10-06
参考文献数
22
被引用文献数
1

食事をとる量は,食事そのものだけでなく,食事の際の周辺の状況に左右されることが近年明らかになってきている.本研究では,拡張現実感技術を用いることで,視覚情報から得られる食事ボリュームを操作し,同量の食事から得られる満腹感を操作することを目指している.本稿では,視覚的な食事ボリュームの変化が満腹感に与える影響についての基礎的調査ならびにそのような「拡張満腹感」システムの実現に向けて構築した,リアルタイムに視覚的な食事ボリュームを変化させてフィードバックする画像処理技術について報告する.
著者
明神 聖子 白井 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.110, no.238, pp.1-5, 2010-10-14
参考文献数
18

本研究では,ユーザの視界に入りこみながら,ユーザ間の日常的な会話を邪魔することなく,システムの存在に気を留めたときにはユーザの会話を促進するインタフェースを提案する.本インタフェースでは,ユーザが突っ込みを入れたくなるように,独り言のストーリー展開において,ユーザの予測を裏切る.そのことによって,ユーザは他者を意識した突っ込みを入れたくなり,会話が活性化すると考えられる.また本研究では,システムが語る内容として,「思い出」を採用する.システムが,思い出を独り言で一部始終語ることによって,その思い出のトピックに関するユーザの記憶を想起させる.また,その独りごとに対する他者の感想やコメントを提示することによって話題の幅を広げる.
著者
田村 洋人 小川 恭平 竹内 俊貴 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.43-48, 2012-06-19
参考文献数
8

本研究は,ライフログを分析して未来のタスクの進捗状況を予測・提示するシステムを構築し,ユーザに円滑なタスクの進行を促すことを目的とする.ここではタスクを,予定以外の時間を割いて行う,努力を伴う作業とする.人々の行動を記録・分析した結果,行動を「予定・タスク・余暇・移動・食事・睡眠」の6項目に分類し,各行動に当てた時間をライフログとして取得することとした.また,長期間に渡り行動時間を記録した結果,行動時間を蓄積したライフログとスケジュール情報から将来タスクに費やせる時間を予測できることがわかった.そこで,人々に馴染みのある日記を模したインタフェースに未来のタスクの進捗状況を提示するシステム「未来日記」を開発した.被験者を対象とした評価実験により,予測を提示することで,タスクを円滑に進めるようユーザを促せたことが確認された.また,未来の情報は日常生活においてタスクを進める上で効果的に働き,未来日記の有効性は高いという評価を得た.未来のタスクの進捗を,見慣れた日記形式で直感的に把握することで,ユーザのタスクの進行が促進されたものと考えられる.
著者
岸下 直弘 間下 以大 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.85-90, 2012-06-19
参考文献数
12

近年,超広視野且つウェアラブルな光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(See-Through Head-Mounted Display)の開発が進められている.これが実現すれば,ウェアラブル拡張現実感(AR)システムにおいて周辺視野の利用が可能になる.しかし,AR環境において広視野を活かした情報提示に関する研究はほとんどなされていない.そこで本研究では広視野シースルーHMDの利用を想定し,周辺視野を有効活用した情報提示手法を検討した後,その有効性を没入型投影ディスプレイCAVEを用いたバーチャルリアリティ(VR)空間により評価する.情報提示手法としては,注釈対象に向かう紐付きの注釈をHMDの視野周縁付近に表示するというシステムを実装した.実験の結果,視野角を問わず,注釈対象の位置に重ねて注釈を表示する手法に比べ,視野周縁に注釈を移動することにより注釈対象の発見率は向上した.また視野角を問わず,注釈に点滅による誘目動作を行わせても発見率は向上しなかった.