著者
小幡 績 太宰 北斗
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-18, 2014 (Released:2014-06-19)
参考文献数
16

競馬の馬券市場においては,「本命–大穴バイアス(favorite–longshot bias)」という良く知られた現象がある.これは当たる確率が極めて低い大穴馬券への過剰な人気を指すものだ.このバイアスは,微小確率の過大評価傾向としてプロスペクト理論から説明できる.本論文では,近年の日本の馬券市場に特徴的な三連単馬券に関して検証を行い,より大穴な馬券ほど過剰に人気が集まる傾向にあるという大穴バイアスの存在が確認された.この結果は従来の研究と異なり,外れ馬券を含めた全ての馬券データを網羅的に分析し,投票行動の推計ではなく実際の得票数を用いた分析である点で,質的に新しい結果といえる.本研究は,微小確率に対する経済主体の実際の行動結果を表すデータを用いた分析であり,行動バイアスの実証分析として大規模なデータを用いた研究となることで,行動経済学の幅広い領域での実証研究の可能性について示唆を与える.
著者
小幡 績 太宰 北斗
出版者
Association of Behavioral Economics and Finance
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-18, 2014

競馬の馬券市場においては,「本命–大穴バイアス(favorite–longshot bias)」という良く知られた現象がある.これは当たる確率が極めて低い大穴馬券への過剰な人気を指すものだ.このバイアスは,微小確率の過大評価傾向としてプロスペクト理論から説明できる.本論文では,近年の日本の馬券市場に特徴的な三連単馬券に関して検証を行い,より大穴な馬券ほど過剰に人気が集まる傾向にあるという大穴バイアスの存在が確認された.この結果は従来の研究と異なり,外れ馬券を含めた全ての馬券データを網羅的に分析し,投票行動の推計ではなく実際の得票数を用いた分析である点で,質的に新しい結果といえる.本研究は,微小確率に対する経済主体の実際の行動結果を表すデータを用いた分析であり,行動バイアスの実証分析として大規模なデータを用いた研究となることで,行動経済学の幅広い領域での実証研究の可能性について示唆を与える.
著者
小幡 績 太宰 北斗
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.216-219, 2012 (Released:2013-05-29)
参考文献数
6

競馬市場において,「本命–大穴バイアス」という有名な現象がある.これは的中確率の低い大穴馬への過剰な人気を指すもので,微小確率の過大評価傾向としてプロスペクト理論から説明できる.本論文では網羅的なデータを用いて,これまでの研究よりも直接的に大穴バイアスを検証した.また,微小確率に対する経済主体の実際の行動を捉えた大規模なデータである点から,競馬を対象とした研究に限らず,意義があると考えられる.
著者
顔 菊馨 小幡 績 太宰 北斗
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.12, pp.S57-S60, 2019

<p>本稿では「株式分割バブル」を対象に,バブルがなぜ膨らむのか,その構造を明らかにしようと試みた.分析の結果,新株供給に制限が課せられる当時の制度上の歪みが切っ掛けとなって投資家が値上がり期待を膨らませ,市場の機運が高いときほど投資家が"宝くじ"を追うようにバブルに参加することが示唆された.本稿は,バブルの特定自体が困難だという実証研究上の課題に自然実験的イベントを用いて対処しており,より直接,バブルを検証したものと期待される.</p>
著者
小幡 績 太宰 北斗
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.5, pp.216-219, 2012

競馬市場において,「本命&ndash;大穴バイアス」という有名な現象がある.これは的中確率の低い大穴馬への過剰な人気を指すもので,微小確率の過大評価傾向としてプロスペクト理論から説明できる.本論文では網羅的なデータを用いて,これまでの研究よりも直接的に大穴バイアスを検証した.また,微小確率に対する経済主体の実際の行動を捉えた大規模なデータである点から,競馬を対象とした研究に限らず,意義があると考えられる.
著者
ウィワッタナカンタン ユパナ 浅子 和美 北村 行伸 小田切 宏之 岡室 博之 伊藤 秀史 福田 慎一 小幡 績 寺西 重郎 伊藤 秀史 福田 慎一 小幡 績 久保 克行
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究プロジェクトは、東アジアにおける企業の大株主のさまざまな役割について明らかにした。企業を支配している大株主は、ファミリー、銀行、政府であり、モニタリング、企業・グループの組織構造、所有・経営権の構造、政界進出等の大株主の行動が、企業パフォーマンスに与える影響を動学的に分析した。これらの企業レベルの行動は、経済政策、経済危機といったマクロ経済レベルにまで影響を与えていることがわかった。