著者
服部 直子 パグワ ボヤンジャルガル 奥津 文子
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.62-69, 2016-03

関西看護医療大学とモンゴル国立医科科学大学看護学部は,2011 年9 月に学術交流協定を結び,以来様々な交流事業を行ってきた。本報告ではまず,モンゴルの保健医療事情や看護教育の制度について概観した上で,モンゴル国立医科科学大学看護学部の概要と看護学科のカリキュラムについてまとめた。さらにモンゴル国立医科科学大学看護学部において実施した両大学教員の協働による基礎看護技術「手指衛生」の演習の試みを振り返った。演習実施にあたっては,計画立案の段階から日本とモンゴルの施設設備や実施されている方法の違いから,教授内容と方法について議論を重ねる必要があった。演習当日は看護学部看護学科2 年生および他学科の学生,計70 名の参加が得られ,学生は蛍光ローションを両手に擦り込み,手洗い後に手洗いチェッカーで洗い残しの癖を見る等,手指衛生技術の習得に取り組んだ。手洗いの結果を視覚的に確認できたことで,より確実な技術の習得に繋がったと考えられた。両大学のよりよい教育実践に向けて,今後さらなる連携をめざしたい。
著者
奥津 文子 星野 明子 江川 隆子 荒川 千登世 横井 和美 本田 可奈子 山田 豊子 赤澤 千春 山本 多香子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

リンパ浮腫セルフケア支援における携帯電話使用群・通常支援群共、6か月間に蜂窩織炎等の合併症を発症した者はいなかった。周囲径については、有意差は見られなかったが、インピーダンスによる水分量については、携帯電話使用群が有意に減少しており、浮腫が改善していることが分かった。セルフケア実施状況については、携帯電話使用群が有意に実施状況が高かった。抑うつ状態については、携帯電話使用群が有意に低かった。以上より、リンパ浮腫患者に対する携帯電話による支援は、セルフケア実施や継続、水分量の減少、および抑うつ症状の改善に有効であることが分かった。