著者
小杉 清 横井 政人 五明 圓 植松 七生
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-6, 1967-12

宿根草の花芽分化に関する研究 I.ジャーマン・アイリスの花芽分化・発育についてジャーマン・アイリスの花芽分化期については従来二つの異なった発表があった.そこで, その原因を明らかにしようとして, 1964〜1966に2品種を用いて調査を行なった.結果は2品種とも8月下旬に花序分化が開始されたので, この時期を分化期と定めた.この時の平均気温は26℃, 平均草たけは67cmであった.この結果は妻鹿氏の結果(9月上旬)に近く, ドイツのKramer氏(6月中旬)とはやや離れた.この相異は分化標徴の認定によるか, 両国間の気候の相異によるか, データーおよび写真がないので明らかでない.なお近年2季咲ないし4季咲の品種が現われてきたので, これらの分化状況については, さらに後日の研究を要する。
著者
小杉 清 吉田 重幸
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.123-126, 1954
被引用文献数
2 2

1. The flower buds in <i>Daphne odora</i> appear in the terminal buds on current shoots, and the time of flower bud differentiation in Tokyo was at the beginning of July in 1950.<br> 2. In <i>Osmanthus aurantiacus</i>, the flower bud formation occurrs in the lateral buds on curre shoot, and the time of flower bud differentiate, in Kagawaprefecture was at the beginning August in 1953.
著者
福田 信二 横井 政人 小杉 清
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.29-33, 1970-12-31

1.高温下で花芽分化し,低温に会って開花の促進される花木の中,移植運搬の困難なウメ(新冬至),モモ(矢口),サクラ(早生彼岸)について,高冷地における促成用花木栽培の可能性を知ろうとして,この実験を行なった.なお比較のためにツツジ(紅霧島)と,ユキヤナギ(蒲田早生)を加えた.2.高冷地は日光市小倉山(標高610m)を,比較地は鹿沼市栃窪(標高140m)を選んだ.3.実験は1968年6月〜1969年2月の間に行ない,両地区に栽植されている前記の花木から,7日ごとにそれぞれ10〜15個体の試料を採集して,70%アルコールに浸漬貯蔵後,剥皮法によって花芽の状態を検鏡した.4.高温下で花芽分化する花木の花芽分化期は,高冷地で遅れたが,花芽の発育はかえって急速に進み,標高の低い地方のものに追い着くか,あるいは追い越した.5.このことから,これらの花木の高冷地における促成栽培も可能であることがわかった.6.低温下で花芽の分化発育が促進されるユキヤナギについては,既に行なわれた実験結果のとおりであり,高冷地における促成用花木栽培の可能性が再確認された.
著者
小杉 清
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.50-54, 1953

(1) 1951年及び1952年に東京に於いて, つばぎ4品腫-はぐほう(早), しらたま(早), わびすけ(中), 赤色八重 (晩) 及びさざんか1種の花芽分化期並びに花芽の発育経過を調べた。<br>(2) つばき及びさざんかの花芽分化期は, 6月中旬~7月上旬で, 早生種は晩生種より多少早く分化したが, その差異は比較的少かつた。<br>(3) 花芽の発育は, 胚珠の形成期までは早, 中, 晩の差異が比較的少かつたが, 花粉の形成期に於いて大きく差異が認められた。<br>(4) 開花始は, しらたま10月8日, はくほう10月18日, わびすけ12月9日, 赤色八重3月28日, さざんか11月10日であつた。
著者
元木 泰雄 横井 政人 小杉 清
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.31-36, 1972-12-25

1.1才ザクロおよび1才サルスベリのさし木3年苗と,本年生の実生苗について,千葉大学園芸学部において,花芽の分化発育状況を調べた.2.1才ザクロのさし木苗では,1971年には4月19日肥大期,5月3日がく片形成期と進み,6月7日から第1回の開花が始まった.その後7月5日には,第2回の肥大期が認められ,8月9日には,はい珠形成期まで進み,ついで開花した.3.1才ザクロの実生苗では,6月7日肥大期,8月9日はい珠形成期と進み,8月30日に開花し始めたが,この場合には,1回しか花芽分化がみられなかった.4.1才サルスベリのさし木苗では,1971年には4月26日肥大期,5月3日がく片形成期,6月28日雄ずい形成期と進み,7月12日から開花し始めた.5.1才サルスベリの実生苗では,6月21日肥大期,6月28日はい珠形成期と進み,7月10日から開花し始めた.このように1才サルスベリでは,さし木苗も実生苗も,花芽分化は1回しか認められなかった.