著者
小森 康加 望月 康司 榎本 至 前田 明 河野 一郎
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.313-320, 2010 (Released:2014-04-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1

水球競技中に視力矯正行っている男子水球選手を対象に,二つの試合条件(1.視力矯正あり条件,2.視力矯正なし条件)を設定し,視力矯正の有無が水球競技の競技パフォーマンスに与える影響を検討した. その結果,ミスプレイ率は視力矯正あり条件が視力矯正なし条件と比較して,有意に低い値を示した.貢献プレイ率およびボールタッチ率では有意な差は認められなかったが,視力矯正あり条件が高い傾向を示した.また,試合中のプレイに関する主観的評価は,特に見え方に関する調査項目において,視力矯正あり条件が有意に高い値を示した. 実戦において重要視されているミスプレイの減少が示され,主観的評価による見え方においても違いが認められたことより,水球競技において視力矯正を行うことには,試合中の競技パフォーマンスに影響を与えている可能性があると推察された.
著者
小森 康加 榎本 至 北田 耕司
出版者
大阪国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

水球競技において,シュート時の投球速度は競技力を構成する重要な要因であるが,投球速度を決定する体力的要因は明らかではない.これは投球動作が多くの体力要素で構成され,複雑に関与しているためであると考えられる.本研究では,水球競技におけるシュート時の投球速度と体力特性との関係を明らかにし,投球速度に関連した体力要素を検証することを目的とした.その結果,水中での投球速度と最も関連した体力要素は水中垂直跳びであった.動作制限法の結果からも,水中での下肢の動作の貢献度が大きいことが明らかとなったことから,投球速度を向上させるためには下肢を中心とした水中トレーニングを確立する必要性があると考えられた.