著者
小泉 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.74-79, 1995-07-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
8

膀胱異物のうち, 自慰目的のもののみを取り上げると, それは20代に多く, かつ青年, 子女に関する限りそれは農村部居住者に多いと考えていた。1994年の第43回日本農村医学会総会にその実態を発表しようと資料を纏めていた所, その裏付けがとれたので日本農村医学会総会に発表し, かつ本誌に記述した。期間は1978年よりの16年間で, 年齢は自験最少の13歳より一応25歳までとした。この間の膀胱異物総数は56例。うち自慰目的と考えられたものが34例。さらにこの年代に該当するものが14例であった。このうち都市部居住者が4例, 残り10例が農家在住を主とした農村部居住者であった。年齢を25歳までに区切ったのは独身者として観察したいと考えたからである。男子6, 女子4であるが, セクハラや, いじめ的なもの, 更には正確には膀胱尿道異物例も含んでいる。物品は模型用リード線, 体温計, スピン及びピストル弾丸, ビニールチューブ, 結石のついたヘアピン, クリップ, ポリエチレン管, 台所用サランラップ, 部品としてのポリエチレン管, 鉛筆であり, 異物膀胱鏡を中心とした治療で別出した。農村部の負の生活部分の一層の陽性化が必要と考えたが最近本症はややへり気味である。なおポリエチレン管の男子例ではオリーブ油と水を膀胱へ計300cc, 注入した所, 自然排出をみたのでおりがあったら, 追試して頂きたい。文献的にも考察して述べた。
著者
小泉 雄一郎
出版者
日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.74-79, 1995-07-30
参考文献数
8
著者
谷奥 喜平 徳田 安章 小泉 雄一郎 山田 佳也 中山 創生
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, 1959

現在市販されている抗生物質軟膏としては,ペニシリン(PC)軟膏,クロールテトラサイクリン(CTC)軟膏,オキシテトラサイクリン(OTC)軟膏,テトラサイクリン(TC)軟膏,クロラムフエニコール(CP)軟膏,エリスロマイシン(EM)軟膏,ロイコマイシン(LM)軟膏,バシトラシン(BTRC)軟膏,フラシオマイシン(FRM)軟膏,グラミジン・J(GRMN-J)軟膏,コリスチン(Colistin)軟膏j,ポリミキシン・B(PMX-B)軟膏等があり,これ等の合剤としてはBTRC-FRM軟膏,GRMN-DHSM(ジヒドロストレプトマイシン)軟膏,BTRC-Colistin軟膏等,更にFRMーハイドロコーチゾン軟膏がある.且これ等の軟膏基剤としては主として白色ワゼリン,親水ワゼリンであるが,極く一部では親水軟膏(CP),ソルベース(GRMN-DHSM)が用いられている.又その軟膏中の抗生物質濃度は大部分5mg/gで,一部では10mg/g(CP),又は30mg/g(TC系3剤)である.以上の如き抗生物質軟膏基剤が主として白色ワゼリンであり,尚その濃度が同じく5mg/gである理論的実驗的根據が殆ど知られていない.他方最近PC・アレルギーに於ける感作源,誘発源として抗生物質が注目されている.・に於て我々は抗生物質軟膏療法の実驗的研究を企てた次第である.我々は抗生物質軟膏の選擇は次の基準によつて行うべきものと考えている.即ち 1)当該抗生物質のin vitro抗菌力 2)原因菌の感受性 3)軟膏貼用局所皮膚の抗生物質濃度 4)軟膏中の抗生物質力價の持続性 5)軟膏からの抗生物質の遊離度 6)軟膏中の校正物質の協力作用 7)抗生物質軟膏の肉芽組織に対する影響 8)刺戟又は感作による接触性皮膚炎等アレルギーの発生頻度 我々はPC等13種類の抗生物質を夫々白色ワゼリン,親水ワゼリン,吸水軟膏,親水軟膏,ソルベース,カーボワックスに配伍した抗生物質軟膏に就て,以上の8項目を檢討して,次に述べるが如き結果並びに結論を得たから,・に報告する次第である.
著者
小泉 雄一郎
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2004

Ti-Al金属間化合物の逆位相領域(APD)組織と層状組織を同時に制御し、層状組織制御のみでは得られない特性を実現するための研究を行ってきた。昨年度の研究の結果、熱処理のみで組織制御した場合、γ板析出前にAPDが粗大化するため、層状組織と共存するAPDのサイズは最小で400nmであった。また、APDとγ板の組織複合化の効果を引き出すには、従来の不規則α単相温度からの急冷とその後のα_2+γ二相温度での等焼鈍で得られるより微細なγ板・APD複合ナノ組織が必要であることが示された。本年度は、そのような組織を得るため、γ板の優先核生成サイトとしての転位の役割に注目し、二相化焼鈍前の塑性加工の効果を調べた。具体的には、焼鈍前に圧延あるいは押し込み加工により塑性変形を加えることで優先核生成サイトとなる転位を導入してγ板析出を促進し、昨年度得られたよりも微細なγ板・逆位相領域・転位複合ナノ組織を得ることを試みた。焼鈍前に10%圧延加工した結果、加工なしの場合にはγ板が析出しない条件(1073K 1×10^4s)での焼鈍でも平均間隔(L)88nmの層状組織が得られた。その際の平均APDサイズ(1)は214nnと微細であり、これまでで最も微細な複合ナノ組織が得ることができた。そのような組織を有する結晶の硬さはHV464と、熱処理のみで得られた同程度のL(94nm)を有する結晶の硬さHV366に比べて大幅に向上していた。また、10%圧延後1073Kで5×10^4s焼鈍した試料では、L=49nmとなった。これは、焼鈍前加工なしでさらに長時間焼鈍て得られる最小の五の約1/2であったことから、焼鈍前加工はγ板析出の早期化だけでなく、層状組織をさらに微細にする効果も有することを見出した。押し込み加工によりさらに大きな加工を加えた場合にはL=77nm、1=90nmと共に100nm以下の組織も得られた。