著者
川村 和将 神谷 恵三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.I_47-I_52, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
6
被引用文献数
3

東名高速道路は平成10年から全面的に高機能舗装を採用している.それにより基層以下への雨水の浸透が促進され,アスファルト層の損傷拡大が懸念されている.舗装の健全性を評価するために,東名高速道路では路面性状調査やFWD測定などを実施している.その結果,路面ひび割れ評価手法では,高機能舗装の損傷を評価できていないことや,路床の支持力は安定しており,雨水による影響が小さいことなど明らかにした.
著者
菅原 正則 松田 圭大 木幡 行宏 畑山 良二 川端 伸一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_274-I_282, 2023 (Released:2023-02-22)
参考文献数
17

ガラス発泡軽量材は廃ガラスを原料とするリサイクル軽量材である.寒冷地においてガラス発泡軽量材を地盤材料として使用する際は,凍上性や凍結融解抵抗性の確認が必要であるが,それらを検討した事例は非常に少ない.本研究は,ガラス発泡軽量材に対して凍上試験や熱伝導解析を行い寒冷地での適用性を検討したものである.軽量材は,非凍上性材料であり,凍結融解後のCBR値の低下もみられない良質な材料であった.また,粒子内に多くの間隙が存在することが確認され,その効果により一般的な砕石と比較して優位な熱的性質であることを示した.さらに,車道舗装の凍上抑制層や路盤に軽量材を用いたモデルを作成し,凍結深さの抑制効果を熱伝導解析によって明らかにした.
著者
竹内 康 木幡 行宏 関根 悦夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.45-53, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
22
被引用文献数
4 7

アスファルト舗装の多層弾性構造解析において,路床の弾性係数は重要な入力パラメータであり,1990年代以降には,室内実験によって輪荷重の作用を想定した路床材料のレジリエントモジュラスの測定が精力的に行われてきた.しかし,レジリエントモジュラスは応力状態に依存する非線形弾性係数であり,構造解析が複雑になるため,日本の舗装設計関連図書では設計事例が示されていないのが現状である.本研究では,既往のデータを再整理してレジリエントモジュラスの整理方法について検討するとともに,多層弾性構造解析において簡易にレジリエントモジュラスを用いる方法を提案した.
著者
何 宗耀 前島 拓 白井 悠 髙田 厚 岩城 一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_163-I_170, 2021

<p> 本研究は,大学構内において放熱管を埋設したコンクリート舗装を作製し,熱媒体の種類,温度,および放熱管のかぶり厚さが路面温度および融雪効果に及ぼす影響について検討した.その結果,屋外に設置したタンク内の水を舗装体内に循環させることにより,夏期における路面温度上昇と冬期における路面凍結の両方を抑制し得ることを示した.また,福島県郡山市の気候においては10℃程度の水を循環させることで,放熱管のかぶりが70mmという条件においても十分な融雪効果があることを明らかとした.さらに,3次元有限要素解析により,路面温度上昇と路面凍結の抑制に有効な循環水の温度を提案した.</p>
著者
白井 悠 石垣 勉 川上 篤史 寺田 剛 藪 雅行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.I_9-I_17, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
14
被引用文献数
3

本論文は,すべり抵抗測定車を用いたタイヤ/路面転がり抵抗(以下,転がり抵抗)の評価方法と,これより得られた転がり抵抗係数と自動車走行燃費との関係について検討した結果を報告するものである.転がり抵抗係数と自動車走行燃費は,国土技術政策総合研究所試験走路に施工した低燃費舗装を含む4種の試験路面で実測し,検討を行った.具体的な検討項目は,a)転がり抵抗測定時における影響要因の補正方法,b)転がり抵抗係数のタイヤ温度および車両の走行速度に対する補正方法,および c)転がり抵抗係数と自動車走行燃費との関係である.その結果,提案する評価方法から求めた転がり抵抗係数は走行燃費と相関が良いことが確認できた.
著者
宮﨑 文平 風戸 崇之 濵梶 方希 小濱 健吾 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.I_175-I_183, 2013 (Released:2014-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
4

近年,高速道路では標準的な舗装路面として高機能舗装が採用されている.これに伴い,密粒舗装が主流であった時期に策定された従来の路面管理基準では,舗装路面の状態を十分に評価することが困難となってきている.本研究では,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の妥当性と,最適な路面管理基準について検討する.具体的には,現在の我が国の道路舗装の維持管理における,路面性状調査の結果による健全度評価と現場の補修要否判断の乖離の問題を説明する.その際,密粒舗装と高機能舗装それぞれの劣化過程の相違に触れ,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の問題点を指摘する.その上で,供用中の高速道路で獲得された路面性状データを用いた実証分析を実施し,最適な路面管理基準について検証する.
著者
矢野 隆夫 西山 哲 中島 伸一郎 森石 一志 大西 有三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.120-130, 2011 (Released:2011-12-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

透水性舗装の貯留・浸透特性を飽和―不飽和浸透解析や気液二相流解析等で評価する場合,舗装を構成する各材料の不飽和浸透特性を精緻に把握しておくことが必要である.そこで透水性舗装の材料としてポーラスアスファルト混合物,路盤材および数種の路床材に対して,水分保持特性試験および飽和―不飽和透水試験を実施し,解析における不飽和パラメータの取得を行った.ポーラスアスファルト混合物に対する試験結果については既に報告しており,本論文では路盤材および路床材の結果について報告する.試験結果を既存のモデル式でフィッティングしたところ,水分保持特性は Van Genuchten 式の適用性が良い事を,路盤材の不飽和透水特性は主に Irmay 型の式で,路床材は Van Genuchten 式でよく表現できることを明らかにした.
著者
八木 浩一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.I_1-I_7, 2013
被引用文献数
13

自動車の車内ダッシュボード面などばね上にスマートフォンを設置し,内蔵の加速度センサとGPSの情報だけを使い,ばね下の上下変位量すなわち路面縦断プロファイルを推定する手法とその精度について報告する.本技術はばね上設置であるため実施が容易であり,路面プロファイルそのものを推定しているため平たん性やIRIなど各種指標の算出も可能である.はじめに計測原理を述べ,次にこれを実装したスマートフォンアプリケーションにより計測した値と,路面プロファイラにより計測した値の比較結果を述べる.今回行った280[m]区間での走行実験では,走行速度20~60[km/h]の速度域において,20m区間の平たん性の比較で寄与率R<sup>2</sup>=0.63~0.78,15m区間の平均面に対する凹凸量の地点ごとの比較で寄与率R<sup>2</sup>=0.63~0.80の高い相関が確認できた.
著者
八木 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.I_1-I_7, 2013 (Released:2014-03-06)
参考文献数
6
被引用文献数
13

自動車の車内ダッシュボード面などばね上にスマートフォンを設置し,内蔵の加速度センサとGPSの情報だけを使い,ばね下の上下変位量すなわち路面縦断プロファイルを推定する手法とその精度について報告する.本技術はばね上設置であるため実施が容易であり,路面プロファイルそのものを推定しているため平たん性やIRIなど各種指標の算出も可能である.はじめに計測原理を述べ,次にこれを実装したスマートフォンアプリケーションにより計測した値と,路面プロファイラにより計測した値の比較結果を述べる.今回行った280[m]区間での走行実験では,走行速度20~60[km/h]の速度域において,20m区間の平たん性の比較で寄与率R2=0.63~0.78,15m区間の平均面に対する凹凸量の地点ごとの比較で寄与率R2=0.63~0.80の高い相関が確認できた.
著者
庄嶋 芳卓 秋葉 正一 加納 陽輔 井 真宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.I_89-I_95, 2012 (Released:2013-03-06)
参考文献数
11

我が国では経済発展に伴い産業副産物が多量に排出されており,それらの再利用を今まで以上に推し進め,廃棄処理をできるだけ抑制することが望まれている.例えば,非鉄金属精錬の副産物であるフェロニッケルスラグ(FNS)は,細骨材として再利用されているが,微粉末については再利用に至っていない.また,集塵ダストとして発生する微粉酸化鉄は,路床改良材として多用されているが,その性状には多くの解明すべき点がある.そこで,本研究では,FNSと酸化鉄の微粉末の再利用を目的に,それぞれに消石灰を混合し,室内試験を行い,路床改良材としての適用性について検証した.その結果,最も強度発現が期待できる混合割合を明らかにし,これをまさ土に混入した場合の路床改良材としての有効性について確認した.