著者
志垣 瞳 永野 君子 池内 ますみ 小西 冨美子 餅 美知子
出版者
帝塚山大学
雑誌
帝塚山大学短期大学部紀要 (ISSN:13459732)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.103-114, 2001-02-01

奈良県奈良市および生駒市内にある私立幼稚園1カ所, 公立幼稚園2カ所に在籍する年長児を対象に, 健康状況や生活習慣, 食生活などを中心としたアンケート調査を平成9年11月&acd;12月に実施し, 次のような結果を得た。1.対象児の58.2%が何らかの健康不良を訴えており, 回答の多い項目は「風邪をひきやすい」, 「過去に病気で入院したことがある」, 「アレルギー体質である」であった。女児より男児に該当が多かった項目は, 「やせすぎ」, 「腹痛, 下痢を訴える」, 「アレルギー体質である」であった。(P<0.05) 2.起床時間は, 7時台が最も多く, 78.8%であった。就寝時間では, 「21時まで」が26.7%, 「21時から22時」が55.5%, 「22時以降」が17.7%であった。3.朝食を毎日食べない者が4.1%みられた。朝食の共食状況は, 「両親と」が19.2%, 「母親と」が41.8%, 「子供だけで」が29.5%であった。夕食では, 「両親と」が25.3%, 「母親と」が69.9%, 「子供だけで」が2.1%となっていた。4.「朝食を毎日食べない」者は, 「毎日食べる」者に比べて, 健康不良を訴える割合が大きく(p<0.01), 歯痛, 頭痛, 眠りが浅いなどの項目では, 1%の危険率で, またよくけがをする, 寝つきが悪いと訴える割合に5%の危険率で有意差が認められた。また生活状況では, 朝食の欠食は, 就寝時間が遅いという生活の夜型化の影響を受けており, 睡眠時間, 夜食の頻度, 朝の食欲, テレビなどの生活習慣と関連していることが示唆された。5.21時までに就寝する「早寝群」は, 22時以降に就寝する「遅寝群」に比べて, 睡眠時間, 朝食時間, 便通, 夕食時間, 食品摂取頻度得点, 朝の食欲, 朝食摂取状況, 夜食の頻度などの生活全般にわたる習慣が良好にもたれていることが窺われた。
著者
島村 知歩 藤本 さつき 池内 ますみ 花崎 憲子 小西 冨美子 志垣 瞳
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.180, 2005

【目的】近年わが国の食生活では、外食の日常化、中食産業の多様化や食情報伝達による食事の均一化がみられるようになってきた。そこで、家庭で主菜献立として作られてきた魚介・肉料理の手作り度・購入頻度、食品の摂取状況について、その実態を明らかにし、現場の教育に生かすためにアンケート調査を実施した。【方法】2002年11月_から_12月、東京、愛知、奈良、大阪、京都、岡山、広島、福岡の大学および短期大学14校に在籍する学生1092名の家庭における調理担当者に、アンケート調査を実施した。調査内容は、調理担当者の属性、調理時間、食品の摂取状況、魚介・肉料理の手作り度・購入頻度などであった。【結果】食品の摂取状況をみると、主食として週5回以上摂取されているものは、朝食では米が44%、パンが42%であり、夕食では米が95%であった。食品の摂取頻度は、年代や夕食の調理時間により違いがみられた。主菜となる動物性食品では、週3回以上摂取している人が卵類で84%、肉類で78%、魚介類で65%であった。家庭で作ると答えた魚介料理は、多い順に煮魚87%、塩焼き83%、鍋もの83%であり、肉料理はカレー98%、肉じゃが92%、肉野菜炒め91%などであった。購入すると答えた魚介料理は、さしみ85%、たたき53%、みそ・粕漬け35%であり、肉料理はシューマイ57%、ギョーザ49%、ミートボール49%などであった。調査対象者の50%以上が家庭で作ると答えた料理は、魚介料理よりも肉料理が多かった。
著者
志垣 瞳 池内 ますみ 小西 冨美子 花崎 憲子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.206-214, 2004-05-20
被引用文献数
8

若い世代の魚食嗜好に関連する要因を把握し,魚離れの食行動を見直すことを目的に奈良県内の大学,短期大学の2回生を対象に,1999年4月〜5月に魚介類に関する食嗜好調査を実施した。得られた結果は次の通りである。1)魚介類が「大好き」と答えた学生は29.1%,「好き」は40.8%で,「大好き・好き」は69.9%を占めた。魚介類が「嫌い・大嫌い」な学生は5.6%と少なかった。魚介類の嗜好には,性別による違いはみられなかったが,母親の嗜好は大きく影響していた(p<0.001)。2)肉類が「大好き」な学生は25.8%,「好き」は47.3%で,「大好き・好き」は73.1%であった。肉類が「嫌い・大嫌い」は2.0%であった。肉類の嗜好も性別による有意な差はみられなかったが,男子に嫌いと答えた人はいなかった。3)魚介類を好きになった時期は「幼稚園以下」が最も多く(42.7%),次いで「小学校低学年」(24.9%)であった。嗜好別にみると,「大好き」なグループでは,好きになった時期が「幼稚園以下」と答えた人は54.8%であった。4)魚介類が夕食で摂取される頻度は「週に3〜4回」以上が50.5%であった。魚介類の摂取頻度は性別や魚介類の嗜好別で違いがみられた(各々p<0.001)。5)肉類が夕食で摂取される頻度は「週に3〜4回」以上が62.5%であった。6)魚介類の好きな調理法は,焼く(27.3%),生(22.3%),煮る,揚げる,汁物の順であった。家でよく食べる調理法は焼く(32.9%),煮る(25.6%),生(20.5%),揚げる,汁物であった。好きな調理法は魚介類の嗜好別で違いがみられ(p<0.001),魚が「大好き」な人は調理法の種類に偏りが少なく,どの調理法も好んでいた。7)好きな魚介類は,サケ・マス(34.9%),エビ(28.6%),サンマ(23.3%),マグロ(22.5%)であり,よく食べる魚介類はサバ(50.4%),サケ・マス(45.3%),サンマ(29.9%),ブリ(29.4%),エビ(29.1%)であった。好きな魚介類,よく食べる魚介類は,性別で違いがみられた(各々p<0.001)。8)魚介類が好きな人ほど,好きな魚やよく食べる魚の種類が多かった。9)魚離れをくいとめるためには,幼稚園以下の幼い頃から魚介類を食べる習慣をつけ,母親がいろいろな魚や調理法を用いて魚料理を作ってやること,おいしく楽しい食体験の積み重ね,親子がそろって魚が「大好き」という味覚教育が大切である。