著者
島村 知歩 藤本 さつき 池内 ますみ 花崎 憲子 小西 冨美子 志垣 瞳
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.180, 2005

【目的】近年わが国の食生活では、外食の日常化、中食産業の多様化や食情報伝達による食事の均一化がみられるようになってきた。そこで、家庭で主菜献立として作られてきた魚介・肉料理の手作り度・購入頻度、食品の摂取状況について、その実態を明らかにし、現場の教育に生かすためにアンケート調査を実施した。【方法】2002年11月_から_12月、東京、愛知、奈良、大阪、京都、岡山、広島、福岡の大学および短期大学14校に在籍する学生1092名の家庭における調理担当者に、アンケート調査を実施した。調査内容は、調理担当者の属性、調理時間、食品の摂取状況、魚介・肉料理の手作り度・購入頻度などであった。【結果】食品の摂取状況をみると、主食として週5回以上摂取されているものは、朝食では米が44%、パンが42%であり、夕食では米が95%であった。食品の摂取頻度は、年代や夕食の調理時間により違いがみられた。主菜となる動物性食品では、週3回以上摂取している人が卵類で84%、肉類で78%、魚介類で65%であった。家庭で作ると答えた魚介料理は、多い順に煮魚87%、塩焼き83%、鍋もの83%であり、肉料理はカレー98%、肉じゃが92%、肉野菜炒め91%などであった。購入すると答えた魚介料理は、さしみ85%、たたき53%、みそ・粕漬け35%であり、肉料理はシューマイ57%、ギョーザ49%、ミートボール49%などであった。調査対象者の50%以上が家庭で作ると答えた料理は、魚介料理よりも肉料理が多かった。
著者
花崎 憲子 志垣 瞳 辻 郁代 山本 山美 池内 ますみ 奥田 展子 川井 考子 瓦家 千代子 澤田 崇子 深蔵 紀子 升井 洋至 丸山 悦子 水野 千恵 山下 英代 川田 克子 横溝 佐衣子 四谷 美和子 冨岡 和子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.71-76, 2004

関西における煮る調理に関する実態を把握することを目的として,2000年10月に,関西の大学・短大の学生を通してその家雄の調理担当者を対象にアンケート調査を行い,煮ものを食べる頻度,家庭で作る頻度,購入する頻度,作る煮ものの種類と使用される調味料などについて検討した. 得られた結果は次の通りである.(1)調理に費やす時間は,朝食は短く,夕食には時間をかけていた.(2)煮ものを食べる頻度および家庭で作る頻度は,いずれも「週3~4回以上」が多く60%を占めた.また,夕食の調理時間が長いほど煮ものを作る頻度が高くなることが認められた(ρ<0.001).(3)煮ものを「食べる頻度」「家庭で作る頻度」と年代との関係は,10,20歳代の若い年代層はともに低く,親の年代層は高かった.(4)家庭で作る煮ものでは,「肉じゃが」「かぼちゃの煮もの」「煮魚」「ひじきの煮もの」「筑前煮」「だいこんの煮もの」が多く,購入する煮ものでは「ひじきの煮もの」「おからの煮もの」「だいずの煮もの」が多かった.(5)煮ものの調味料は「基本調味料」が71%,「市販混合調味料」が1 0 % , 「使い分ける」が1 9 % であった.(6)煮もののだしは,「だしをとる」より「だしの素を使う」人が多かった.(7)煮ものに使う醤油としてこいくちは「豚の角煮」「牛肉しぐれ煮」「煮魚」「ひじきの煮もの」「ぜんまいの煮もの」「なすの煮もの」など,うすくちは「高野豆腐の煮もの」「えんどうの煮もの」「おからの煮もの」「たけのこの煮もの」「さやいんげんの煮もの」などこいくちとうすくちは「肉じゃが」「筑前煮」「だいこんの煮もの」などに併用されていた.醤油の種類は食材によって使い分けがされていた.
著者
志垣 瞳 池内 ますみ 小西 冨美子 花崎 憲子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.206-214, 2004-05-20
被引用文献数
8

若い世代の魚食嗜好に関連する要因を把握し,魚離れの食行動を見直すことを目的に奈良県内の大学,短期大学の2回生を対象に,1999年4月〜5月に魚介類に関する食嗜好調査を実施した。得られた結果は次の通りである。1)魚介類が「大好き」と答えた学生は29.1%,「好き」は40.8%で,「大好き・好き」は69.9%を占めた。魚介類が「嫌い・大嫌い」な学生は5.6%と少なかった。魚介類の嗜好には,性別による違いはみられなかったが,母親の嗜好は大きく影響していた(p<0.001)。2)肉類が「大好き」な学生は25.8%,「好き」は47.3%で,「大好き・好き」は73.1%であった。肉類が「嫌い・大嫌い」は2.0%であった。肉類の嗜好も性別による有意な差はみられなかったが,男子に嫌いと答えた人はいなかった。3)魚介類を好きになった時期は「幼稚園以下」が最も多く(42.7%),次いで「小学校低学年」(24.9%)であった。嗜好別にみると,「大好き」なグループでは,好きになった時期が「幼稚園以下」と答えた人は54.8%であった。4)魚介類が夕食で摂取される頻度は「週に3〜4回」以上が50.5%であった。魚介類の摂取頻度は性別や魚介類の嗜好別で違いがみられた(各々p<0.001)。5)肉類が夕食で摂取される頻度は「週に3〜4回」以上が62.5%であった。6)魚介類の好きな調理法は,焼く(27.3%),生(22.3%),煮る,揚げる,汁物の順であった。家でよく食べる調理法は焼く(32.9%),煮る(25.6%),生(20.5%),揚げる,汁物であった。好きな調理法は魚介類の嗜好別で違いがみられ(p<0.001),魚が「大好き」な人は調理法の種類に偏りが少なく,どの調理法も好んでいた。7)好きな魚介類は,サケ・マス(34.9%),エビ(28.6%),サンマ(23.3%),マグロ(22.5%)であり,よく食べる魚介類はサバ(50.4%),サケ・マス(45.3%),サンマ(29.9%),ブリ(29.4%),エビ(29.1%)であった。好きな魚介類,よく食べる魚介類は,性別で違いがみられた(各々p<0.001)。8)魚介類が好きな人ほど,好きな魚やよく食べる魚の種類が多かった。9)魚離れをくいとめるためには,幼稚園以下の幼い頃から魚介類を食べる習慣をつけ,母親がいろいろな魚や調理法を用いて魚料理を作ってやること,おいしく楽しい食体験の積み重ね,親子がそろって魚が「大好き」という味覚教育が大切である。
著者
花崎 憲子
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

パラチノースは非う蝕性で、甘さ控えめの機能性糖質甘味料である。パラチノースと砂糖の配合比を代えて焼菓子を調製し、品質と嗜好性を検討した。パラチノースクッキーの形状は横広がりがなく、大きく膨張した。パラチノースクッキーは破断試験や官能評価でかたいと評価された。パラチノースクッキーは咀嚼時間、咀嚼回数、筋活動量が他に比べて有意に大きく、歯がため菓子として利用できると考えられる。