著者
池田 勇 小野 友道
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.522-524, 2001-10-01 (Released:2010-09-02)
参考文献数
6

肝細胞癌で加療中の79歳男性患者の右示指先端に水疱形成を伴う硬い腫瘤が生じ,生検により転移性皮膚癌であることが判明した。本転移癌に対して使い捨てカイロを利用した局所温熱療法を試みた。腫瘍は治療に反応して縮小し,約2ヵ月の経過で消失した。内臓悪性腫瘍の指尖部への転移は稀であるが,温熱療法の良い適応となる可能性がある。使い捨てカイロの局所加温効果にっいてサーモグラフィを用いて検討した。
著者
木村 達 深水 大民 中村 猛彦 小野 友道 園田 頼和
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.52-54, 1993

酪農家の牛舎の屎尿処理槽と連結した簡易トイレで発生したメタンガス引火による熱傷の1例を報告した。後日同様条件下で, この処理槽より燃焼濃度に達するメタンガスを検出し得た。家畜の屎尿から発生するメタンガスに対し, 充分な安全対策はとられておらず, 適切な指導が必要と思われた。
著者
小野 友道 Ono Tomomichi
出版者
大塚製薬工場
雑誌
大塚薬報 = Otsukayakuho
巻号頁・発行日
vol.632, pp.45-47, 2008-01-15
著者
小野 友道
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.122, no.6, pp.1549-1564, 2012

1935年,当時東北帝国大学教授太田正雄は映画のシナリオ作成を依頼された.映画は梅毒予防のための啓発映画で,作成されたシナリオは当時熊本医科大学助教授北村包彦に手直しするよう送付された.それは「螺旋形の悪魔」という題名で完成を見たが,しかし,映画は実現しないまま幻に終わった.太田正雄のシナリオは,現在,神奈川近代文学館に所蔵されている.このシナリオには当時の梅毒に対する考え方,歴史,症状そして治療などが記されており,それらを混ぜながらの若い建築家夫婦の梅毒物語である.歴史学的に貴重であり,また皮膚科学的にも興味深い資料である.
著者
小野 友道
出版者
大塚製薬工場
雑誌
大塚薬報
巻号頁・発行日
vol.617, pp.63-65, 2006-08-01
著者
佐藤 敬子 影下 登志郎 小野 友道 荒尾 龍喜
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.95, no.13, 1985

悪性青色母斑(MBN)は,極めてまれな悪性腫瘍で,Allenら(1953)が6例報告して以来,現在まで30例が報告されたに過ぎない.今回我々は,23歳男性のMBN例を経験した.出生時より左耳介後面から左側頭部に青黒色斑が存在,12歳時より帽針頭大小結節が多数出現し,22歳時その中の1個が急速に鳩卵大腫瘤に増大した.組織学的には,青黒色斑,小結節,及び急速に増大した鳩卵大腫瘤が,それぞれ普通型青色母斑(Com.BN),細胞増殖性青色母斑(Cel.BN),MBNの像を示し,また電顕でMBNの腫瘍細胞は多数の脂肪滴を有しているのが特徴的であった.さらに,抗ヒトメラノーマモノクローナル抗体による免疫組織学的検討を行い,類円形や楕円形の腫瘍細胞が胞巣を形成してる部位では,主に細胞膜に一致した特異蛍光が認められた.併せて自験例を含め,現在まで報告されたMBN31例について,若干の文献的考察を行った.