著者
小野 淳平 小方 孝
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.410-434, 2017-09-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
22

The Table-talk Role Playing Game (TRPG) is an analog game. This game progresses by repeating acts of speech between a Game Master (GM) and a Player (PL). The GM progresses a story based on a framework they have prepared. The progression of the story, however, is often changed by the PL. This gap between the planed story and actual story surprises the GM and thus changes the progression of the story. The authors of the present study focus on this observation and have produced a mechanism for generating a story with a surprise element using the model of a story generation in TRPG. In this paper, we prepared for this gap using a technique for the creation of the story and researched the relations between this gap and the act of surprising,using a questionnaire. Results showed that the surprise element was related to this gap. Using the aforementioned technique, we will develop a story generation mechanism for a range of story generation scenarios, to be used in automatic story generation games in the future.
著者
小野 淳平 小方 孝
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.410-434, 2017

 The Table-talk Role Playing Game (TRPG) is an analog game. This game progresses by repeating acts of speech between a Game Master (GM) and a Player (PL). The GM progresses a story based on a framework they have prepared. The progression of the story, however, is often changed by the PL. This gap between the planed story and actual story surprises the GM and thus changes the progression of the story. The authors of the present study focus on this observation and have produced a mechanism for generating a story with a surprise element using the model of a story generation in TRPG. In this paper, we prepared for this gap using a technique for the creation of the story and researched the relations between this gap and the act of surprising,using a questionnaire. Results showed that the surprise element was related to this gap. Using the aforementioned technique, we will develop a story generation mechanism for a range of story generation scenarios, to be used in automatic story generation games in the future.
著者
河合 珠空 小野 淳平 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3D1OS22a04, 2020

<p>歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』は,道成寺伝説の一種の後日譚でありながら,もともとの伝説を越えた独自の内容を持った作品として,古くから多くの優れた女形によって上演されて来た.本研究では,渡辺保による『京鹿子娘道成寺』の分析を参考に,人物・背景(舞台装置)・音楽(楽器,演奏者,ジャンル)・詞章と台詞,さらに場面ごとの核心的な精神的主題などを主な構成要素とする,その「舞台上演構造」の詳細な分析を試みる.さらに,物語生成システムのアニメ―ションツールとして以前に筆者らが開発したKOSERUBEと呼ばれるシステムを用いて,その舞台上演構造を簡易な可視的イメージとして構成する.本研究は,物語生成システムの一表現方式,コンピュータゲーム,自動生成コンテンツなどへの応用を目指して進められている.</p>
著者
福田 和維 小野 淳平 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3D1OS22a03, 2020

<p>筆者らは,物語のストーリー・深層の修辞的構造(物語言説)・表層的な表現を生成する,「統合物語生成システム」の開発を進めて来た.本研究では,この統合物語生成システムを用いて,「蘊蓄」―特定の対象や主題に関する詳細(で過剰)な知識内容―を生成する機構を提案する.具体的には,統合物語生成システムの主に名詞概念辞書中に,Wikipediaその他から個々の名詞概念に関する自動獲得された属性概念を格納し,システムによって生成された物語の合間に随時その属性情報を編集して埋め込むことで,ある対象や主題についての蘊蓄生成を可能とする.研究の焦点は,ある対象や主題に関連した属性情報の自動獲得及びその編集による利用方式である.今回は,対象・主題を歌舞伎とし,歌舞伎に関する蘊蓄生成機構の実装を試みる.</p>
著者
小方 孝 福田 和維 小野 淳平 伊藤 拓哉
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3P5OS16b02, 2020

<p>「綯い交ぜ」は歌舞伎の物語を作り出すための単なる一手法ではなく,最重要な構成原理である.綯い交ぜに関しては様々な説明があるが,ここでは凡そ,既存のある物語―神話・伝説・民話・語り物・歴史等―の「世界」―人物・事件・時代背景等―をベースに,その他の物語の世界との様々な仕方での合成や関連付けを通じて,一つの新しい物語作品を作り出すという,物語創出原理のことを綯い交ぜと考える.それはその中に多様な手法や技法を含む総体的な用語である.なお歌舞伎の用語法では,ある世界に基づく物語の綯い交ぜによる再組織化の工夫のことを「趣向」と呼ぶ.また綯い交ぜという言葉自体は特に鶴屋南北の特異な作劇法のことを狭くは意味するが,ここではより広く一般的に捉えている.本研究では,綯い交ぜとは何かについて,従来の歌舞伎研究の調査・分析と筆者らの物語生成システム研究との綯い交ぜを通じて考察し,様々なアプローチの可能性を体系的に整理すると共に,その一例として,筆者らが実装した,関啓吾らの『日本民話大系』に記述された民話の型の概念表現化を用いて,複数のストーリーの合成による綯い交ぜのコンピュータシミュレーションを示す.</p>
著者
小方 孝 小野 淳平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1F2NFC103, 2019 (Released:2019-06-01)

筆者は物語生成の観点から,特に「統合物語生成システムを持つ芸能情報システ ム」の観点から,歌舞伎における要素と技法を調査・分析して来た.本論文の目 的は,歌舞伎における二つの要素(人及びストーリー)と同じく二つの技法(綯 い交ぜ及び尽し)を選び,その組み合わせ的な,あるいは多重的な使用について 考察することである.結果として,筆者は自動的に生成・編集された,役者の記 述・二つの歌舞伎作品の梗概・綯い交ぜと尽しの技法を利用して編集されたシナ リオを含む例を示す.この例は,「統合物語生成システムを持つ芸能情報システ ム」におけるある反復生成過程におけるある特定の地点におけるストーリーに対 応する.
著者
小野 淳平 小方 孝
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

開発中の統合物語生成システムでは,事象中の概念選択を概念辞書の候補範囲からランダム選択で行っていたが,これを小説中の単語の頻度情報で絞り込む方式を既に提案した.本稿ではその際問題となった名詞概念辞書の範疇の問題等を解決し,選択された概念を単語表記として表層化する機構と繋げる.更に事象の概念選択から文の表記選択迄の流れを,各々のパラメータ設定に基づき制御し言語表現の多様性を実現する仕組みを実装する.
著者
小野 淳平 張 一可 小方 孝
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

先行研究において、テレビコマーシャルの分析により、人物、物、場所を非日常化する「異化」の修辞が多用されていることが明らかにされた。これまでこの知見を用いて概念辞書の階層を利用して単一事象を異化する技法のプログラム化を行なった。本稿では、個々の事象の異化の修辞をより大きなシナリオレベルに応用する手法について提案する。異化の度合いとストーリー性を制御して多用なシナリオ生成を実現することを目指す。