著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.272-276, 2016-06-01 (Released:2016-06-01)

論文データベースの収録記事に付与される主題分類は検索キーとして使われる他,情報分析において重要な役割を果たす。主要なデータベースで使われている主題分類の概要を示し,その中でも情報分析によく利用されるWeb of Science Core Collection,Essential Science Indicators,Scopusの3つの分類の特徴を述べるとともにそれらの比較を行う。その後,情報分析を指向して提案された主題分類について解説する。それらは,人的な考察に基づく分類とアルゴリズム的な分類(主に引用関係による)に大別される。
著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.273-277, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)

電子ジャーナルサイトJ-STAGEのアクセス統計データを用いて,このサイトから公開されている『情報の科学と技術』に掲載された記事の本文ダウンロードデータを分析した。延べダウンロード数は漸次上昇しており,最近は月3万件程度で推移している。特集記事や連載記事など,非会員に6か月のエンバーゴ期間を設定している記事の多くは,発行当月多くのダウンロードがあった後大きく減少し,6か月経過後に急上昇に転ずる。この推移の分析から,会員と非会員の閲読傾向について考察した。
著者
藤枝 真宏 小野寺 夏生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.77-85, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2 1

J-STAGE登載雑誌の論文を引用した論文数および引用した著者の地域分布を,J-STAGE登載の前後で比較した。また,J-STAGE利用団体へのインタビュー,調査対象誌を引用した著者への質問票調査を実施した。これらの結果から,わが国の学術雑誌が電子化されることによって,利用が拡大したか,当該分野への影響力が増したのかどうかを考察した。J-STAGEは流通の促進に貢献しているが,実際に引用に影響を与えるためには,審査レベルの向上や魅力的な記事の掲載等,編集方針の変更によって質を向上させることが必要であることを指摘した。
著者
小野寺 夏生
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2003, no.1, pp.50-57, 2003-01
被引用文献数
3
著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.575, 2019-12-01 (Released:2019-12-01)

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センター(CRDS)は,国の科学技術イノベーション政策に関する調査,分析,提案を中立的な立場に立って行う組織です。その中核的業務は,国内外の科学技術動向,その社会の動きとの関係,それらに関する政策の動向などを調査・分析し,その結果を報告書や提言の形に取りまとめて,行政,産業,研究等の世界での活用の推進を図ることです。その基盤となる国内外動向の調査・分析において,CRDSでは,調査対象の科学技術分野における研究開発の動きだけでなく,それを取り巻く環境や背景,社会の動向などを含めた広い視野で,すなわち「俯瞰的に」捉えることを重視しておられます。調査・分析結果をまとめた報告書の名も「研究開発の俯瞰報告書」となっています。CRDSは,国の科学技術振興とイノベーション創出を先導するシンクタンクを目指しておられるので,その調査結果の活用先として第一に念頭にあるのは,科学技術イノベーション政策の立案・実施に関わる府省や政府関連機関ですが,上に述べたとおり,産業界や研究界での活用推進にも努めておられます。当然,それらの世界で情報活動の推進に携わっておられるインフォプロの皆様にも関係のあることですので,第16回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFPRO2019)の実行委員会は特別企画「科学技術イノベーションの潮流~研究開発の俯瞰から見えるもの~」を設け,「研究開発の俯瞰報告書(2019年)」についてCRDSの6名の方にご発表いただきました。そのときの参加者の関心が高く質疑も活溌でしたので,より多くの会員の皆様に読んでいただきたいと考え,CRDSの発表者に執筆をお願いしてこの小特集を組むことができました。この小特集は,全体説明(根上純子氏),主要国の研究開発戦略(冨田英美氏,原田裕明氏),環境・エネルギー分野の俯瞰(中村亮二氏),システム・情報科学技術分野の俯瞰(青木孝氏),ナノテクノロジー・材料分野の俯瞰(宮下哲氏,馬場寿夫氏),ライフサイエンス・臨床医学分野の俯瞰(桑原明日香氏,山原恵子氏)の6編からなります。これはINFOPRO2019での特別企画の構成と同様で,そのときの発表内容に基づいていますが,そこで十分説明されなかったことも含まれています。この小特集を読まれることにより,日本や世界における研究開発の大きな動向を掴むことができるだけでなく,情報の調査・分析・取りまとめ・報知の方法を考える上でも参考になると思います。(INFOSTA会誌経営委員会委員長 小野寺夏生)
著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.639-642, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)

Dr. Eugene Garfieldの執筆論文について計量書誌学的分析を行った。Web of Science Core Collectionから検索された1,543件の記事のうち,97件の原著論文(“article”に分類)について,以下の分析を行った:(1)単著/共著の割合,及び主な共著者,(2)参考文献がよく発表された雑誌及びよく参照された論文,(3)Garfieldの論文をよく引用した著者と雑誌。
著者
児玉 閲 小野寺 夏生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.243-266, 2015-09-28 (Released:2015-11-20)
参考文献数
42

引用傾向(論文あたり参考文献数や引用年齢分布)の経年変化及びそれが自然科学分野の雑誌インパクトファクター(JIF)に及ぼす影響について分析した.対象をJCR2001~2009に継続して掲載されている4463誌に限定し,雑誌の入れ替わりの影響を除いた.自然科学分野全体では,論文あたり全参考文献数は増加していたが,JIFの算出対象となる前2年参考文献数の増加は微少で,引用年齢が高い参考文献が増加していた.JIFの変化は,前2年参考文献数と論文成長率の両方の変化の影響を受けているが,後者の影響がより強い.分野別にみると,論文あたり全参考文献数は全分野で増加したが,前2年参考文献数は分野によって増減がみられた.分野間のJIF変化率の違いに最も強く影響を与える要因は論文あたり前2年参考文献数変化率,次いで論文成長率変化率であり,分野間引用の影響は小さかった.