著者
小関 右介
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.31, pp.62-67, 2021-01-01 (Released:2021-09-17)
参考文献数
19

文献調査にもとづき,佐渡島の淡水魚類相の変遷を調べた.2012年の前回魚類相報告以降,本島の淡水魚類目録には2種の純淡水魚と1種の周縁性淡水魚が加わり,目録掲載種数は46種となった.魚類相の大きな特徴は,通し回遊魚,とくに両側回遊性ハゼ科魚類の種の多さであり,この特徴は過去60年間で大きく変化していなかった.しかし,人為的移入により,種全体に占める純淡水魚の割合がかつての4分の1から3分の1に上昇しており,これら移入種による生態系への影響が懸念された.種の移入防止のために講ずべき施策および侵入の早期発見のために実現すべき環境DNAベースの魚類群集モニタリングについて簡単に述べた.
著者
小関 右介 小松 典彦 小原 昌和
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.421-428, 2019-07-15 (Released:2019-07-31)
参考文献数
34

ため池の外来魚駆除に使用される強アルカリ剤である消石灰の魚毒性を調べた。石灰暴露試験に用いた4種(外来2種および在来2種)の間で6時間致死濃度に大きな違いはなかった。石灰水への池泥の添加は致死濃度を有意に上昇させたが,致死pH(約12.0)には影響しなかった。池泥を添加した致死濃度石灰水は調製後2週間でも高いpH値を示したが,同じ石灰水の50倍またはそれ以上の希釈液は調製後ただちに中性を示した。これらに基づき,殺魚剤としての消石灰の特性とため池の外来魚根絶のための石灰散布技術について議論した。