著者
尾原 祐三 石井 建樹 片岡 みなみ
出版者
熊本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

岩石を構成している岩石マトリックス、鉱物粒子、鉱物粒子境界の破壊靭性を評価するための試験法を開発した、その方法を用い、花崗岩中の長石および石英内に作製した10×10×50マイクロメートルの微小供試体の微視的な破壊靱性および変形特性を評価した。この結果、微視的破壊靱性は、通常の花崗岩供試体から得られる巨視的破壊靱性に比較して小さいこと、ばらつきが大きいことなどが明らかとなった。さらに、得られた値を用いて有限要素被膜法により巨視的破壊靱性試験における破壊進展数値シミュレーションを実施した。この結果、実験による破壊形状と解析結果はよい一致を示し、解析方法の妥当性が明らかとなった。
著者
片岡 みなみ 尾原 祐三 Leona VAVRO Kamil SOUCEK Sang-Ho CHO Sang-Sun JEONG
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.135, no.5, pp.33-41, 2019-05-31 (Released:2019-05-25)
参考文献数
32
被引用文献数
5

岩石のモードI破壊靭性を評価するための試験法がこれまでに数多く提案されてきているが,同じ岩石の破壊靭性を異なった試験法で評価し,得られた結果が比較されることはまれである。このため,破壊靭性に及ぼす試験法の違いが明らかにされているとは言い難い。また,岩石の破壊靭性は試験法の違いだけでなく,用いる供試体寸法によっても影響を受けると考えられる。これらの影響を明らかにするために,様々な破壊靭性試験が行われてきた。しかし,これまでの実験では,同じ岩石で作製された供試体数が十分でなかったり,あるいは供試体寸法の違いの範囲が狭かったために,それらの影響を明らかにするまでに至っていないと考えられる。 本論文では,来待砂岩を供試体として用い,3種類の破壊靭性試験法,すなわち,CB試験,SCB試験およびSNDB試験を実施し,破壊靭性に及ぼす試験法の影響を検討するとともに,半径12.5mm〜150mmの範囲の供試体を用いたSCB試験を実施し,供試体寸法の影響を検討した。この結果,CB試験とSCB試験による破壊靭性はほぼ同等の結果を得ることができたが,SNDB試験の破壊靭性はそれらの値より小さく評価されることを示した。また,供試体寸法が大きくなるとともに破壊靭性も増大することを明らかにした。
著者
尾原 祐三 吉永 徹 濱地 亮
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.134, no.12, pp.222-231, 2018-12-31 (Released:2018-12-27)
参考文献数
19
被引用文献数
4

This paper described the use of a drone in collecting data and analyzing images for monitoring of rock slope. The drone consists of four electric rotors and equips with 4K camera. Firstly, the fundamental experiments were performed by the developed monitoring system with the drone. A measurement accuracy was discussed for method of collecting and using image data. As the results, it is made clear for obtaining a high measurement accuracy that the distance between slope surface and drone is less than 20m for collecting data, and that the overlap of images is 80%, and that GPS data and coordinates of GCP (Ground Control Point) are used in analyzing images. After that, the system was applied to rock slope of an open pit mine and a quarry. The three dimensional model can be constructed with a high accuracy. Furthermore, the change of shape of rock slope can be estimated with the lapse of time. Basing on these results, it is concluded that the developed system is very effective for monitoring rock slope.
著者
尾原 祐三 大谷 順 椋木 俊文 佐藤 晃 山田 文彦 麻植 久史
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

この10年間であまり行われていないX線CTを用いた非破壊試験と最近の地球資源システム工学と地盤環境システム工学の管球課題で重要な解明すべき課題に対し,基本的試験法および測定法の高機能化に焦点を絞り研究を実施した。例えば,破壊靱性の荷重負荷速度依存性,寸法効果を評価するとともに,X線CTによるき裂の可視化により破壊靱性の粒子配列依存性を明らかにした。また,ベントナイトやアスファルトを含む地盤材料を対象とした移流拡散・分散試験により,および裁荷試験により,空隙内部での水や塩の流動特性を明らかにするとともに,物質のマトリクストラップ現象の定量化に成功した。