著者
池羽田 晶文 後藤 剛喜 森澤 勇介 東 昇 尾崎 幸洋
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.19-31, 2011 (Released:2011-02-23)
参考文献数
48
被引用文献数
2 2

120~200 nmの遠紫外(Far Ultraviolet, FUV)領域には分子の外殻電子に関する遷移吸収バンドが観測される.これらは吸収係数が非常に大きいため,これまでは気体や固体表面の反射分光に用途が限られてきた.著者らはこれに対して減衰全反射(Attenuated Total Reflection, ATR)法を利用して液体試料の遠紫外分光が可能な装置を開発した.また,装置の簡便化のために光学系を真空にするのではなく,窒素パージを選択した.これによって液体試料の遠紫外スペクトル測定が容易となり,今まで未知であったスペクトルが次々と明らかになっている.水の第一電子遷移吸収帯もこれによって簡便な測定が可能となったが,その変化は水素結合状態に対して系統的な変化を示すことが明らかになってきた.本論文では水の遠紫外スペクトルの基礎からオンライン分析応用の可能性まで,これまでの成果を幅広く紹介する.
著者
渡 正博 尾崎 幸洋
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.379-397, 2010-05-05
参考文献数
81
被引用文献数
1 1

近赤外分光法を用いたプロセス分析では,様々な外乱に対し影響が少なく予測値に長期間の連続性がある検量線が要求される.更にコストと作業軽減のために少量のサンプルとデータを使って確度の良い検量線を開発する必要がある.本論文では,このような問題を解決するためにポリマープロセスを例としてプロセス用の検量線作成法,移植法,実用的な検量線補正法等を検討した結果について報告する.著者らが開発した近赤外オンライン分光分析システムを使用し,外乱の影響と補償方法について具体的に検討した.直鎖状低密度ポリエチレンの密度測定を行い長期間のプロセスオンラインモニターが可能なことを示した.又ポリプロピレンのエチレン含量,エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量を例に選び,近赤外スペクトル解析方法と検量線作成について新しい提案を行った.更に定期点検前後で検量線予測値に差が出ても補正可能で,実用的な検量線補正方法を提案し実効性を確認した.
著者
多谷 健嗣 趙 景がん 尾崎 幸洋
出版者
日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集
巻号頁・発行日
no.2003, pp.9-10, 2003-10-14

The orientation dynamics of ferroelectric liquid crystal mixtures with ultrashort pitch (FLCUSP) in the Sm-C^* phase during the electric-field-induced switching between the two SSFLC states was investigated by means of time-resolved FT-IR spectroscopy. It was found that the dynamical behavior of orientation indicated by the C=O group in the chiral dopants is different from that indicated by the core moiety in the base liquid crystals. We also studied the orientation dynamics of SSFLC especially focusing on the relationship between orientation and rotation during the electric-field-induced switching.