著者
渡 正博 尾崎 幸洋
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.379-397, 2010-05-05
参考文献数
81
被引用文献数
1 1

近赤外分光法を用いたプロセス分析では,様々な外乱に対し影響が少なく予測値に長期間の連続性がある検量線が要求される.更にコストと作業軽減のために少量のサンプルとデータを使って確度の良い検量線を開発する必要がある.本論文では,このような問題を解決するためにポリマープロセスを例としてプロセス用の検量線作成法,移植法,実用的な検量線補正法等を検討した結果について報告する.著者らが開発した近赤外オンライン分光分析システムを使用し,外乱の影響と補償方法について具体的に検討した.直鎖状低密度ポリエチレンの密度測定を行い長期間のプロセスオンラインモニターが可能なことを示した.又ポリプロピレンのエチレン含量,エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量を例に選び,近赤外スペクトル解析方法と検量線作成について新しい提案を行った.更に定期点検前後で検量線予測値に差が出ても補正可能で,実用的な検量線補正方法を提案し実効性を確認した.
著者
小野 道照 野渡 正博
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.61-70, 2002
参考文献数
15
被引用文献数
3

フラットな組織によるチーム・マネジメントが注目され, チームワークの重要性が再確認されている.本研究では, 産業界における実態調査に先立って擬似経営活動としての経営シミュレーションに着目し解析を行う.各チームにおけるチームワークの認識度と経営業績の関連性について考察し, チーム構成員の組織構造の差異を確認することを研究目的とする.結論としては, 次の仮説が採択され今後の実態調査の指針となった.仮説: 高業績チームは, 低業績チームよりもチームワークに対する認識は高い(平均値の比較).仮説: 高業績チームは分岐階層型であり, 低業績チームは分派型の組織構造である(クラスター分析).
著者
野渡 正博 直井 知与 阿久津 正大
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.172-179, 2006-06-15
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究では,経営シミュレーション演習のなかで各チームの構成メンバーが行う集団意思決定時のチームワークに着目し,チームワーク評価因子間の関連性を集団過程としてとらえ,時系列的に考察している.それらの集団過程を開始時点,中間時点,終了時点の3時点でアンケート調査による階層構造として解析し,それらの認識過程と差異を確認することを研究目的としている.結論としては,以下の仮説が採択された.仮説1:「チームワークに対する認識の平均値は,終了時点の方が開始時点よりも高い(平均値の比較).」仮説2:「チームワークに対する認識の緊密性は時系列的に変化し,終了時点の方が開始時点より強い(主成分分析の因子負荷量による比較).」仮説3:「チームワークに対する認識の階層構造は時系列的に変化し,終了時点の方が開始時点より明確な階層構造となる(クラスター分析のデンドログラムによる比較).」