著者
尾花 明
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.114-118, 2019-07-15 (Released:2019-07-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

38歳女性看護師がNd:YAGレーザーによるレーザートーニングの練習をしていた.クリアファイルに挟んだトレーニング用紙にレーザー照射を行っていたところ,反射光が右眼に入り黄斑円孔を生じた.保護眼鏡は装用していなかった.硝子体手術によって円孔は閉鎖したが,視力は0.01に低下した.
著者
尾花 明
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.64-70, 2021-07-15 (Released:2021-07-15)
参考文献数
23

カロテノイドは抗酸化物質で,酸化ストレスから生体を守る働きをする.網膜のカロテノイドは黄斑色素を形成し,心理物理学的方法,眼底反射光測定法,眼底自発蛍光分光法,共鳴ラマン分光法の4つの方法で非侵襲的に計測できる.加齢黄斑変性との関係が指摘され,ルテイン,ゼアキサンチン含有サプリメントの加齢黄斑変性予防効果が報告されている.皮膚カロテノイド量は反射光測定法で非侵襲的に測定できる.カロテノイド血中濃度と強く相関し,食事摂取量を反映するので食育に有用である.
著者
尾花 明
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.438-443, 2012-02-15 (Released:2014-02-05)
参考文献数
7

光は特殊な条件下では眼に有害作用を及ぼす.眼は透過光量の調節や黄斑色素などによる光防御機構を備えるが,防御能を越えると障害に至る.障害機序は熱作用,光化学作用,物理作用であり,波長,照射強度,照射時間によって決まる.可視光と近赤外光は網膜に熱凝固を来し,紫外光や青色光の長時間暴露は光化学作用による変性を来す.赤外光の慢性暴露は熱による白内障の危険性を有し,高出力パルスレーザーは物理作用による網膜破壊を来す.傷害防止にはレーザー使用時の防御眼鏡着用と作業環境整備が重要で,日常生活での慢性障害にも配慮を要する.
著者
尾花 明 植田 俊彦
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.452-455, 2012-02-15 (Released:2014-02-05)
参考文献数
4

光による眼の傷害事例を紹介した.13 歳男子はレーザーポインターによる熱傷害により,中心暗点と網膜外層の形態異常を来したが,変化は可逆性であった.15 歳男子はLED による光化学傷害により,不可逆性の視力傷害と網膜萎縮を来した.33 歳男性は日食観察に伴う光化学傷害により,一過性の眼痛,違和感と網膜外層の軽微な異常を来した.