- 著者
-
尾花 明
- 出版者
- Japan Society for Laser Surgery and Medicine
- 雑誌
- 日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.4, pp.438-443, 2012-02-15 (Released:2014-02-05)
- 参考文献数
- 7
光は特殊な条件下では眼に有害作用を及ぼす.眼は透過光量の調節や黄斑色素などによる光防御機構を備えるが,防御能を越えると障害に至る.障害機序は熱作用,光化学作用,物理作用であり,波長,照射強度,照射時間によって決まる.可視光と近赤外光は網膜に熱凝固を来し,紫外光や青色光の長時間暴露は光化学作用による変性を来す.赤外光の慢性暴露は熱による白内障の危険性を有し,高出力パルスレーザーは物理作用による網膜破壊を来す.傷害防止にはレーザー使用時の防御眼鏡着用と作業環境整備が重要で,日常生活での慢性障害にも配慮を要する.