著者
山下 倫実 坂田 桐子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-71, 2008-03

本研究は,大学生におけるソーシャル・サポートと恋愛関係崩壊からの立ち直りとの関連について検討した。まず,性役割の観点より,恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源が恋愛パートナーに限定される者は女性より男性に多いという予測1について検討した。恋愛関係にある大学生146名を対象に友人(同性/異性),恋人,家族(同性/異性)から提供されたサポート(情緒的/道具的)について尋ねた。その結果,予測1は概ね支持された。次に,現在,恋愛関係にない大学生132名を対象に恋愛関係崩壊時の情緒的サポート源が多い者ほど,立ち直り評価が高いという予測2について検討した。各関係からのサポート(予測1の検討と同様),恋愛関係崩壊時のショック度,恋愛関係崩壊からの立ち直り過程の経験及び立ち直り評価などの項目について回答を求めた。サポート形態は,情緒的サポート源が多様である多様型,情緒的サポート源が同性友人に限定される同性友人型,サポート低型に分類された。予測2は概ね支持され,恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源を恋愛パートナーに限定することが,立ち直り評価の低さにつながる可能性が論じられた。
著者
山下 倫実 坂田 桐子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-71, 2008-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
49
被引用文献数
6 2

本研究は, 大学生におけるソーシャル・サポートと恋愛関係崩壊からの立ち直りとの関連について検討した。まず, 性役割の観点より, 恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源が恋愛パートナーに限定される者は女性より男性に多いという予測1について検討した。恋愛関係にある大学生146名を対象に友人 (同性/異性), 恋人, 家族 (同性/異性) から提供されたサポート (情緒的/道具的) について尋ねた。その結果, 予測1は概ね支持された。次に, 現在, 恋愛関係にない大学生132名を対象に恋愛関係崩壊時の情緒的サポート源が多い者ほど, 立ち直り評価が高いという予測2について検討した。各関係からのサポート (予測1の検討と同様), 恋愛関係崩壊時のショック度, 恋愛関係崩壊からの立ち直り過程の経験及び立ち直り評価などの項目について回答を求めた。サポート形態は, 情緒的サポート源が多様である多様型, 情緒的サポート源が同性友人に限定される同性友人型, サポート低型に分類された。予測2は概ね支持され, 恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源を恋愛パートナーに限定することが, 立ち直り評価の低さにつながる可能性が論じられた。
著者
風間 文明 山下 倫実
雑誌
十文字学園女子大学紀要 = Bulletin of Jumonji University (ISSN:24240591)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.15-24, 2017-03-24

本研究の目的は、就職活動を目前に控えた女子大学生について、自己効力感と身近なソーシャルサポート源が進路決定の確信度、柔軟性にどのような影響を及ぼしているかを検討することである。就職活動前の女子大学3 年生90名を対象に質問紙調査を実施した。主な結果は以下の通りである。( 1 )自己効力感は進路決定の確信度を高めるが、柔軟性には影響を及ぼさない。( 2 )教員の情緒的サポートは進路決定の確信度を高めるものの柔軟性を低下させる。一方、就職課職員による情緒的サポートは確信度を低下させるものの柔軟性を高める。教員の道具的サポートも確信度を高める。( 3 )社会人の情緒的サポートは確信度を高め、親しい異性の道具的サポートは柔軟性を低下させる。結果から、大学による女子大学生の就職支援として教員と就職課を両輪とする情緒的サポート体制の有効性が示唆された。