著者
山中 良忠 古川 徳
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.114-119, 1975-05-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

家禽のうち, キジ目とガンカモ目に属する14種の鳥卵について卵黄と卵白に分離して, その成分組成を分析した。その結果を要約すれば次の通りである。1. 卵重に対する卵黄, 卵白および卵殼のしめる割合はそれぞれ27.9~35.7%, 51.8~63.4%, 7.9~17.5%であり, 各種鳥卵における構成比はROMANOFFらの値に比べて比較的類似した値を示した。しかし, わが国におけるこれまでの一部の報告はROMANOFFらの値に比べ低い値を示す傾向が認められ, 本実験ではアヒルを除く鳥卵の卵黄比にわずかに低い値が認められた。また, 卵白については白色レグホーン, ウズラで高い値を示す他は類似した値が認められ, 卵殼のしめる割合についても比較的近似的値を示した。2. 卵黄と卵白はその一般成分組成において水分含量と脂肪含量に著るしい差が認められた。すなわち, 水分含量は卵黄で44.6~49.3%, 卵白で86.9~90.1%を示し, 脂肪含量は卵黄で29.8~35.8%であるのに対し,卵白では0.06%以下であった。この関係は各種鳥卵において著るしい差は認められずROMANOFFらの報告とよく一致した。3. 水鳥卵は陸鳥卵にくらべ卵黄中の水分含量が少く44.7%以下であり, 脂肪含量が高く35.3%以上であった。
著者
古川 徳 高橋 強 山中 良忠
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.153-159, 1996-02-25
被引用文献数
1

パイェル板細胞と胸腺細胞および脾臓細胞との相互関係を明らかにするため,ケフィール粒から分離した菌体区分(KGM),多糖区分(KGP)およびタンパク質区分(KGPP)を添加してin vitroで培養したパイエル板細胞の培養上澄液(PPS)が胸腺細胞ならびに脾臓細胞のマイドジェン応答性に及ぼす影響を検討した.<br>正常C3H/HeJマウスから得た胸腺細胞の増殖は,KGMおよびKGPPを添加して培養した正常C57BL/6マウスならびにLewis担癌C57BL/6マウスのPPSの添加によっても影響されなかった.KGPを添加して培養したバイエル板細胞から得たPPSの添加は,胸腺細胞に対するフィトヘマグルチニンーP(PHA-P)のマイトジェン活性を高めた.この傾向は,正常C57BL/6マウスのPPSに比べてLewis担癌C57BL/6マウスのPPSで高い傾向を認めた.また,胸腺細胞に対するPHA-Pのマイトジェン活性は,KGPPを添加して培養したLewis担癌C57BL/6マウスのPPSの添加によっても促進された.しかしながら,これらのPPSの添加は,胸腺細胞に対するコンカナバリンA(Con A)およびリポポリサッカライド(LPS)のマイトジェン活性に影響しなかった.<br>正常C57BL/6マウスから得た脾臓細胞の増殖ならびにCon A, LPSおよびPHA-Pに対するマイトジェン応答は,KGM, KGPおよびKGPPを添加して培養した正常C57BL/6マウスPPSの添加によって影響されなかった.いっぽう,Lewis担癌C57BL/6マウスのパイェル板細胞にKGPおよびKGPPを添加して培養し,分離したPPSは,正常C57BL/6マウスから得た脾臓細胞の増殖と脾臓細胞に対するCon Aのマイトジェン活性を高めた.さらに,KGPを添加して培養したLewis担C57BL/6マウスのPPSは,脾臓細胞に対するLPSおよびPHA-Pのマイトジェン活性をも高めた.