著者
山口 実靖 小口 正人 喜連川 研優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.72, pp.447-454, 2004-07-14

本稿ではiSCIを用いたIP-SANのアクセストレースシステムの提案と それを用いた性能向上に関する考察について述べる.FC-SANの欠陥を補うSANとしてTCP/IPとEthernetを用いるIP-SANやiSCSIが期待を集めるようになっているが,IP-SANの欠点としては性能がFC-SANより劣るとの指摘もありIP-SANの性能向上の実現が重要であると考えられている.iSCSIを用いたIP-SANシステムではサーバ計算機とストレージ機器が孤立に個別のOS等で稼動し,それらがTCI/IPネットワークを用いて通信を行い強調して動作し全体のシステムを構築することとなる.よって,これらの統合的な解析の実現が重要である.本稿では,我々の実装した統合的なトレースシステムについて説明を行い,それを実際に高遅延環境における並列iSCSIアクセスに適用し性能制限原因の発見および発見された問題の解決により並列iSCSIアクセスの性能を向上させられることを示す.In this paper, we propose an IP-SAN access trace system and present performance improvement using the system. IP-SAN and iSCSI are expected to remedy problems of FC-based SAN. In IP-SAN systems using iSCSI, service and storage work cooperatively by communicating with each other via TCP/IP, thus integrated analysis of servers and storage can be considered important. We explain our integrated trace system and show that the system can point out the cause of performance degradation.
著者
豊田 真智子 山口 実靖 小口 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.239-244, 2005-07-07

ストレージ管理コストを低下させるためにSANが登場し, その実績は高い評価を得ている.近年ではブロードバンドネットワーク技術の発展により, 既存のネットワークインフラを利用して構築可能なIP-SANが次世代SANとして注目を集めている.その代表的技術であるiSCSIプロトコルを用いることで, 専用回線を用いることなく, TCP/IPネットワーク上で遠隔ストレージへのアクセスが可能となるため, iSCSIへの期待は大きい.しかし一方で, 登場してから間もない新しい技術であるため, 性能に関する課題を残している.本稿では, iSCSIが利用される想定として複数のサーバからストレージにアクセスする環境を取り上げる.また, より詳細な評価を行うために送信バッファサイズを変更し, 各環境において, 最大4台のサーバからiSCSIを用いたストレージアクセスを行い, TCPパラメータである輻輳ウィンドウとスループットの測定を行う.さらに, 実験結果から複数サーバがストレージにアクセスを行った場合に確認される影響についての考察を行う.