著者
井本 雅史 岩崎 義一 山口 行一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.41-44, 2017 (Released:2017-07-30)
参考文献数
3

本稿では、地方鉄道の利用者数減少とそれに伴う地域衰退を背景に、鉄道会社が実施している路線活性化策に着目し、利用者の増加に効果的な要因を明らかにすることを研究目的とする。調査対象路線は特定地方交通線転換鉄道20社とし、利用者数等の統計データの収集と三角グラフ・回帰分析・数量化分析一類を用いて分析した。これらの分析から、利用者の増加には、定期外利用者に視点を置いた、地元食材や地酒を提供するイベント列車の運行が効果的であることが明らかになった。今後の課題として、地元食材の旬・調理方法・組み合わせ等の工夫や多様な情報発信を沿線地域と連携して行っていくことが、継続的な利用や地域の活性化にもつながると考える。
著者
久保山 凌 村上 裕基 山口 行一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-64, 2018

都心部の回遊に関わる既往研究は多いが、休憩の観点から回遊性の向上について検討した研究は十分な蓄積があるとは言い難い。そこで本研究では、神戸三ノ宮地域を訪れる来街者を対象にカフェの利用有無に関する分析、都心部カフェの混雑状況分析、カフェ利用者を対象に利用者特性分析を行い、カフェの利用実態を明らかにすることを目的とする。分析の結果、カフェの利用有無については、滞在時間や同行者数などが影響を与えていた。対象地域でみれば、店舗ごとに差はあるものの、同じ大手カフェチェーンであれば混雑率の推移に大差がないが、同じ大手カフェチェーンであっても店舗によって利用目的が異なることがわかった。
著者
副島 脩平 岩崎 義一 山口 行一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1027-1032, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
7

日本は少子高齢化が急速に進展し、第二次世界大戦後初めて、かつてないほどの人口減少を経験しました。 また、空家の増加に伴う住環境の悪化は、都市問題として注目されています。 本研究では、特に、空き家や低未利用地が密集市街地を対象にしている。 土地区画整理事業の導入に伴う住環境の変化の分析をおこなった。 公共施設の整備が防災や景観に影響を与えることがわかりました。 このことから、密集市街地における区画整理事業の有効性が示されたものと考えられます。
著者
山中 英生 澤田 俊明 上月 康則 鎌田 磨人 石田 健一 山口 行一 田中 祐一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.255-266, 2000-10-13 (Released:2010-03-17)
参考文献数
23
被引用文献数
6 6

本研究では、徳島県上勝町の棚田地域を対象として、参加型計画手法であるPCM (プロジェクト・サイクル・マネージメント) 手法を導入して、棚田保全戦略を立案した。そして、PCM手法により得られた棚田保全戦略の特徴を、PCM手法の開発思想および作業特性の観点から分析した。その結果、PCM手法が、「科学的判断による分析行為」と「戦略的判断による選択行為」から構成されていることを示した。「科学的判断による分析行為」であるPCM手法におけるアプローチ抽出までの情報は、共通課題を有する場合の他の棚田地域への応用性が高いことが指摘できる。また、PCM手法は、「合意形成の対象となる情報」について複合的な「わかりやすさ」を有していることなどを示した。