著者
木村 将士 山口 真明 大森 健策 山崎 和哉 金子 誠也 加納 光樹
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.87-95, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
19

要涸沼川とその支川の飯田川において,特定外来生物コクチバスの生息状況調査を行った.涸沼川における採集調査では,2019 年と2020 年の各年の6 月から9 月に,飯田川合流点より下流側の7 地点で仔魚や成魚を含む計228 個体(体長6.3–295mm)が採集された.そのうち1 地点では 2019 年6 月に産卵床で仔魚およびそれらを保護する親魚が採集された.したがって,コクチバスは涸沼川水系で再生産し分布を拡大しつつあると考えられた.
著者
山崎 和哉 平山 拓弥 加納 光樹
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.41-47, 2019 (Released:2020-03-20)
参考文献数
31

北アメリカ原産のチャネルキャットフィッシュ(Ictalurus punctatus)は,日本の河川や湖沼で地域漁業に甚大な被害をもたらしている。本種の稚魚の季節的出現と生息場所利用を明らかにするため,2016年5月から11月の夜間に霞ヶ浦の沿岸帯で小型地曳網による定量採集を行った。複数のじゃかごで作られた離岸堤の付近で,5月から10月にかけて本種の稚魚計417個体(体長16~97 mm)が採集され,その出現盛期は8月であった。体長組成のモードは7月から9月にかけて24~36 mm から60~64 mm へと大きくなり,離岸堤付近に滞在し成長する傾向がみられた。稚魚の個体数密度は,ヨシ帯(底質は砂泥質)よりも離岸堤付近(砂質)で明らかに高かった。稚魚が離岸堤付近に蝟集する理由として,隠れ家としてじゃかごを使っている可能性や,砂底によって特徴づけられる緩やかな流れを生息場所として選択している可能性が考えられた。