著者
山川 雄司 遠山 渉 黄 守仁 村上 健一 石川 正俊
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.858, pp.17-00364-17-00364, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Human motion is very flexible for performing various tasks but has low speed and low precision; therefore, support and assistance of human motion by robots is desirable in some situations. In this study, in order to achieve such functions, we developed a new portable module for accurately controlling the position of a human hand and constructed a high-speed, high-accuracy positioning control system using image tracking via a high-speed vision system. In order to evaluate its performance, we executed tracing tests of constant position, circular or linear trajectory. Finally, we performed the task of catching a falling small ball, as a significantly difficult positioning task. Although this task was nearly impossible to perform with the human hand alone, the success rate was dramatically improved by using the proposed method.
著者
山川 雄司
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

昨年度,柔軟物体の動的マニピュレーションの実現を目指し,柔軟紐の動的結び操作を実現した.しかしながら,柔軟紐の操作では線状柔軟物体(紐,ケーブル)への応用に限られてしまい,様々な柔軟物体に対する操りへの適用が困難である.そこで本年度は,柔軟物体の対象を拡張し,面状柔軟物体の動的マニピュレーションの実現を目指した.具体的なタスクとして,2台の高速スライダに搭載した2台の高速多指ハンドと高速ビジョンを用いて布の動的折りたたみ操作を実現した.タスク実現にあたり,次の3点を行った.1つ目に,面状柔軟物体の簡易モデルの構築を行った.昨年度,ロボットの高速性を利用した線状柔軟物体の簡易モデルを提案した.そのモデルはロボットの軌道から線状柔軟物体の動的挙動を計算できる代数方程式であり,面状柔軟物体への拡張が容易である.そこで,1次元的な線状柔軟物体モデルを2次元的な面状柔軟物体モデルに拡張した,そして,ロボットの運動に対する布の変形を実験とシミュレーションで比較し,モデルの妥当性を確認した.2つ目に,簡易モデルを用いたロボットの軌道生成手法の提案を行った.本軌道生成手法は提案モデルがロボットの軌道を基にした代数方程式で表現される特徴を利用した方法である.はじめに面状柔軟物体の変形を指定し,次にモデルを逆計算することにより,ロボットの軌道を得ることができる.3つ目に,ロバストにタスクを実現するための高速視覚フィードバック制御手法の提案を行った,本タスクを実現するためには,折りたたんだ布を把持するタイミングも重要である.この把持タイミングを抽出し,布の把持動作を実現するような制御手法を提案した.以上の要素をロボットシステムに実装し,実験を行い,それぞれの有効性を確認すると同時に,布の動的折りたたみ操作を実現した.