著者
福嶋 裕造 藤田 良介 能美 晶子 宮本 信宏 山本 了 實松 宏已 田頭 秀悟
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.43-47, 2021 (Released:2022-05-17)
参考文献数
10

整形外科の疼痛性疾患が天気によって症状が悪化する場合があり,これを気象痛という。今回,交通事故後の大後頭神経痛(GON:great occipital neuralgia)の2症例で天気による症状の悪化に対して五苓散が有効であったので報告する。症例1は41歳女性で,交通事故にて受傷し頚部痛と腰痛を訴えた。2ヵ月後より不定期に後頭部痛が発症した。3ヵ月目に大規模な台風がありその日の朝より激しい後頭部痛があり,その後も天気の悪化で後頭部痛が生じたため当院を受診した。気象痛の GON と診断し五苓散を投与して軽快した。症例2は31歳女性で,交通事故にて受傷し頚部痛を訴えた。受傷後3ヵ月後より天候の悪化により後頭部痛が悪化することが分かり,気象痛のGON と診断し五苓散を投与して軽快した。頚椎捻挫が原因である気象痛の GON に対して五苓散が著効した。
著者
山本 了平 大原 美保 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.829-833, 2012

緊急地震速報は,地震被害の軽減手段として期待されているが,企業における緊急地震速報の利用はごく一部に限られており,更なる普及が望まれる.本研究では,アンケート調査に基づいて,企業による東日本大震災における緊急地震速報の利用状況を分析した.東日本大震災においては,工場などの生産施設で緊急地震速報を受信した場合に特に被害軽減効果が高くなった.しかし,企業の多くが緊急地震速報受信後に館内放送を行っているが,放送基準を高めに設定しているため,緊急地震速報(予報)を十分に活用できていない点が明らかとなった.情報利用の更なる普及には,受信端末や受信料のコストの問題だけでなく,速報自体の信頼性の課題も大きいことがわかった.[本要旨はPDFには含まれない]