著者
山本 二郎 佐藤 憲章 越川 松雄 磯田 陽一郎 梅津 雅裕
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.270-273, 1975-04-01 (Released:2010-01-22)
参考文献数
26
被引用文献数
4 5

沸騰無水酢酸中でトリクロロ酢酸とアゾキシベンゼンが反応し, Wallach転位が進行することは以前に報告した。(1)2.2'-および4,4'-ジメチルアゾキシベンゼンはかなりの収率で相当する。4-および2-ヒドロキシアゾ化合物を与えた。(2)α-p-メチルおよびα-p-メトキシアゾキシベンゼンではいずれの場合もp-ヒドロキシアゾ化合物より高収率でo-ヒドロキシアゾ化合物が得られた。(3)β-p-ニトロアゾキシベンゼンは全く反応しなかった。(4)モノおよびジクロロ酢酸は2,2'-ジメチルアゾキシベンゼンに対し触媒作用を示したが, 収率はきわめて低かった。
著者
中島 路可 柴田 彩 水谷 義 上田 那須雄 山本 二郎
出版者
鳥取大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

沈香の生成に微生物が関与していることに着目し、沈香生成菌と考えられているカビ及びバクテリヤ51種類を選び、デヒドロアビエチン酸、ファルネソ-ル、ネロリド-ル、テトラリン、ヌ-トカトン、カウレンなどを基質として微生物変換を行った。デヒドロアビエチン酸では2ー位、7ー位、16ー位の水酸化がそれぞれ高収率で起こることを見出した。ファルネソ-ルではIFO7706(Fusarium oxysporumf)により3,7,11ートリメチルー2,6,10ードデカトリエン酸が、IFO3521(Pseudomonas aureofaciens)により3,7,11ートリメチル2,10ードデカトリエン1,7ージオ-ルが高い選択性で得られ、合成法としても利用できることを示した。ネロリド-ル、テトラリン、カウレンについては良い結果は得られなかった。テトラリン、カウレンについては基質が水に溶けないことに問題があり、水酸化、リン酸エステル化によって水溶性として変換を行いたいと考えている。ヌ-トカトンについては現在生成物を分離、構造決定を行っている。またデヒドロアビエチン酸の液晶としての利用の可能性を見るためにデヒドロアビエチン酸の化学変換を行い、デヒドロアビエチン酸の13ー位のアミノ基への変換及び各種置換フェノ-ル類とデヒドロアビエチン酸のエステルを合成し、液晶性を検討している。また、資源開発の目的で松柏類の樹脂成分の検索をコウヤマキ、白松について行い、とくにコウヤマキについては日本列島の日本構造線と成分の相関について調査を行っている。