著者
森野 由香 山本 信也 石渡 勝己 高松 翼
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.683-688, 1997-08-05
被引用文献数
2

トリフルオロ酢酸を含む水/メタノール系の移動相を用いるイオン抑制HPLCからの溶出液をピンポイント濃縮し, 顕微反射FT-IRにより同定する方法について検討した.標準試料には化粧品中に紫外線吸収剤として微量処方されている5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた.トリフルオロ酢酸に由来するバックグラウンドスペクトルの吸光度は分取容器にポリプロピレン製のものを用い, 遠心真空濃縮することで最小限に抑えることができた.又, 得られたIRスペクトルからの同定限界の評価については, 市販の検索システムを利用して, ピンポイント濃縮により得た標準スペクトル並びにデータベーススペクトルとの一致度を指標として行った.バックグラウンドに出現する水酸基, アルキル基吸収を除く2000〜700cm^<-1>の範囲で, ピンポイント濃縮標準IRスペクトルとの一致度により求めた同定限界は, 標準試料のHPLC溶出物では500ng, 市販化粧水をメタノール希釈してHPLC分取した溶出物では2μgであった.
著者
國本 景亀 山本 信也
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

平成15年度から平成17年度までの3年間の研究の総括は次のとおりである。(1)全体論的数学教育の数学観、子ども観、学習観、教授観などを明らかにしいくつかの教授原理を解明した。「全体性の原理」、「内容や関係豊かな学習の原理」、「活動的・社会的学習の原理」、「漸進的数学化の原理」、「科学論的見方の原理」、「歴史性(数学史)の原理」などである。これからの数学教育はオープンな精神で行われるべきである。特に、子ども達に本質的な数学的現象に出合わせるべきである。(國本)(2)ワークショップを2回行う。熊本大学教育学部において、2回のワークショップを行った。参加者は2004年は58名で、2005年は43名であった。(山本)(3)ビットマン氏らの著書『算数・数学 授業改善から教育改革へ("Jenseits von PISA : Bildungsreform als Unterrichtsreform")』を翻訳した。(國本、山本)(4)現場との連携(小学校での授業を3年間で約20回行った)高知県南国市の2つの小学校と連携し、学生の教師養成と現場教師の再教育に携わった。連携した学校の1つが高知県の学校表彰(算数科)を受けた(平成17年度)。(國本)(6)『数の本』(1〜4学年)を翻訳し、各都道府県の教育長へ謹呈した。そのため平成17年度の予算の内インク代にかなりの経費がかかった。(國本)(7)イギリスの数学教育雑誌"Mathematics Teaching"に「数の石垣」の実践報告が掲載された。(藤田)