- 著者
-
山本 和雄
- 出版者
- 岡山市立岡山後楽館高等学校
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2010
1研究目的(1)郷土出身の文学者坪田譲治を媒体として,高校教育において〈郷土への愛着・郷土愛と郷土理解・地域文化の伝承〉・〈生涯学習の基盤〉青成の必要性を、地域に「生きる力」の一環として、教材開発の過程においてなるべく広く啓蒙する。(2)〈生涯学習〉の場で、教材のパイロット版を応用活用できる方法を模索する。(3)坪田譲治周辺の《地域文化資源》についても遺族・親族等から取材・調査し、記録する。2.研究方法(1)6月9日「岡山県高等学校教育研究会国語部会春季大会」において、21年度「補助金」で制作した「デジタル資料パイロット版」の紹介と利用方法説明、22年度研究の概略を口頭説明し、「中間のまとめ」の一部を小冊子として希望者に配布。(参加者約70名)(2)5月から開講した「市民講座坪田譲治研究」の受講生と共に新資料の調査に着手。(3)夏季休業中に「文芸部」の生徒も(2)の調査に参加。(4)8月3日「岡山文学教育の会第40回文学講演会国語教育実践発表会」(後援岡山市教育委員会参加者約50名)において、21年度研究成果と22年度中間発表。(5)「岡山後楽館高校公開市民講座坪田譲治研究」を、特別編を含めて通算7回、岡山県立図書館で行った。うち夏季休業中の2回は,高校生一校内授業の受講生と文芸部員も参加し、一般市民の方々と交流しながら受講した。(6)授業「岡山の文学」を11月から県立図書館で数回行った。譲治に関する各グループ別設定テーマの調べ学習とまとめの後、授業で発表会を行い相互評価させた。また、「現代文」においては「公開市民講座」で検討した作品を教材としてレポートを作成させた。(7)21年度同様、県立工業高校建築科との連携を行い、親族への取材成果をそれに反映させた。3研究成果(1)「公開市民講座」の実施で,一般市民の参加者と勤務校生徒との接点ができ、学習教材の開発に多面的価値観とその見解を得ることができた。(2)21年度例作の「デジタル教材」について、著作権等に配慮しながら修正を行い、夏季以降希望校に貸与できる打ち合わせ、準備ができた。(3)坪田譲治のいわゆる「最初期・初期」の小説作品(郷土岡山でも一般に知られていない)を、教材候補としてあえて取りあげた。新たな発見があり、教材選定の基準の一つを確定することができた。(4)「公開市民講座」はテーマ別に通算7回行った。テーマごとに興味を持った、様々な市民の方の参加があった。その感想・意見は、授業での生徒のものと同様、今後の研究活動に大変有効である。(5)県立岡山工業高校との連携は、「岡山県工業教育誌」に紹介された。(6)「公開市民講座」は、8・10・11月に実施した計4講座が「あっ晴れ!おかやま国文祭応援事業」に承認された。うち、10・11月の講座は「おかやま県民文化祭協賛事業」としても承認された。また、3月に実施した「講座特別編パネルディスカッション坪田譲治と岡山の自然」は、岡山市の「おかやま文学フェスティバル2010関連事業」として承認された。