著者
岡部 幸祐 高橋 菜奈子 山本 和雄
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.2013, 2018-08-31 (Released:2018-09-08)

創設から2年を経過し,2017年度末には543機関が参加する機関リポジトリコミュニティとなったJPCOARの様々な活動から,オープンアクセスの先端的機能の開発を担うタスクフォースにおける活動と国際会議での発表等,国際的な連携の活動を中心に報告する。このことにより,学術コミュニケーションをめぐる国際的な研究環境の変化の中で,機関リポジトリを核として,大学図書館が果たすべき役割を考察する。
著者
山本 和雄
出版者
岡山市立岡山後楽館高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

1研究目的(1)郷土出身の文学者坪田譲治を媒体として,高校教育において〈郷土への愛着・郷土愛と郷土理解・地域文化の伝承〉・〈生涯学習の基盤〉青成の必要性を、地域に「生きる力」の一環として、教材開発の過程においてなるべく広く啓蒙する。(2)〈生涯学習〉の場で、教材のパイロット版を応用活用できる方法を模索する。(3)坪田譲治周辺の《地域文化資源》についても遺族・親族等から取材・調査し、記録する。2.研究方法(1)6月9日「岡山県高等学校教育研究会国語部会春季大会」において、21年度「補助金」で制作した「デジタル資料パイロット版」の紹介と利用方法説明、22年度研究の概略を口頭説明し、「中間のまとめ」の一部を小冊子として希望者に配布。(参加者約70名)(2)5月から開講した「市民講座坪田譲治研究」の受講生と共に新資料の調査に着手。(3)夏季休業中に「文芸部」の生徒も(2)の調査に参加。(4)8月3日「岡山文学教育の会第40回文学講演会国語教育実践発表会」(後援岡山市教育委員会参加者約50名)において、21年度研究成果と22年度中間発表。(5)「岡山後楽館高校公開市民講座坪田譲治研究」を、特別編を含めて通算7回、岡山県立図書館で行った。うち夏季休業中の2回は,高校生一校内授業の受講生と文芸部員も参加し、一般市民の方々と交流しながら受講した。(6)授業「岡山の文学」を11月から県立図書館で数回行った。譲治に関する各グループ別設定テーマの調べ学習とまとめの後、授業で発表会を行い相互評価させた。また、「現代文」においては「公開市民講座」で検討した作品を教材としてレポートを作成させた。(7)21年度同様、県立工業高校建築科との連携を行い、親族への取材成果をそれに反映させた。3研究成果(1)「公開市民講座」の実施で,一般市民の参加者と勤務校生徒との接点ができ、学習教材の開発に多面的価値観とその見解を得ることができた。(2)21年度例作の「デジタル教材」について、著作権等に配慮しながら修正を行い、夏季以降希望校に貸与できる打ち合わせ、準備ができた。(3)坪田譲治のいわゆる「最初期・初期」の小説作品(郷土岡山でも一般に知られていない)を、教材候補としてあえて取りあげた。新たな発見があり、教材選定の基準の一つを確定することができた。(4)「公開市民講座」はテーマ別に通算7回行った。テーマごとに興味を持った、様々な市民の方の参加があった。その感想・意見は、授業での生徒のものと同様、今後の研究活動に大変有効である。(5)県立岡山工業高校との連携は、「岡山県工業教育誌」に紹介された。(6)「公開市民講座」は、8・10・11月に実施した計4講座が「あっ晴れ!おかやま国文祭応援事業」に承認された。うち、10・11月の講座は「おかやま県民文化祭協賛事業」としても承認された。また、3月に実施した「講座特別編パネルディスカッション坪田譲治と岡山の自然」は、岡山市の「おかやま文学フェスティバル2010関連事業」として承認された。
著者
山本 和雄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.556-564, 2001
参考文献数
5

公務は法令を遵守して執り行われねばならない。図書館についても例外ではなく, 公的機関の図書館活動もまた合法に行われる必要がある。一方, 法は過去の蓄積に他ならないため, 電子ジャーナルのような新たな事象については必然的に法令適用の妥当性が問われることになる。本稿では, 電子出版物, 特に電子ジャーナルを公的機関に導入する際に関連する法規や解釈の近況について概括する。
著者
山本 和雄
出版者
岡山市立岡山後楽館高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

1研究目的(1)郷土出身の文学者坪田譲治を媒体として高校教育において生徒に<郷土への愛着>を育成し、現在の自分と地域との関わりを考えさせ、学習者個々人の<郷土愛と郷土理解>を深めさせる。(2)<地域文化の伝承>を啓蒙し、<生涯学習>の場での応用活用を模索する。(3)坪田譲治周辺の<地域文化資源>についても調査・発掘し、記録する。2研究方法(1)市民講座「坪田譲治研究」、公開市民講座、授業、文芸部活動の連携・融合をはかった。(2)岡山市立の図書館2館と連携し、生涯学習施設での公開講座を実施した。(10.24-土,11.1-日,11.22-日,11.29-日-うち、10月24日は、新型インフルエンザ流行のため中止とした。)(3)岡山市主宰の「岡山文学フェスティバル」に協力した。とくにノートルダム清心女子大学教授山根知子氏の企画に協力し、譲治実家の現在の当主である坪田醇氏への取材を行い、具体的資料が残されていない生家の家屋・庭などについて、建築模型としての復元に尽力した。また、高校教育と大学教育との連携を視野に入れ、模型製作の依頼先として岡山県立岡山工業高等学校建築科科長三好教諭を紹介し、工業高等学校長の許可のもと、建築科生徒による模型製作を実現した。この成果は、坪田譲治生誕120年を記念して行われる清心女子大学と岡山市との共催行事で発表された。(新聞記事参照)(4)夏季休暇を利用して東京に譲治子息坪田理基男氏を訪ね、取材した。また、譲治著作物の使用についても許可をいただいた。取材後、国立国会図書館で資料調査を行った。3研究成果(1)市民講座での作品研究で、今日まで指摘されていない点が明らかになった。具体例として、キリスト教関係の雑誌に発表しながらも仏典からの引用がある作品での、仏典の出典が「親鸞」の著述であることが明確になった。また、従来作品の舞台は郷里岡山が多いと漠然と考えられていたが、作中の植物の科学的分布状況から推測して、必ずしも岡山が舞台となっていない作品群が最初期に存在することが判明した。これらの事柄は、高校での授業で即時的に活用した。(2)国立国会図書館の調査において、公の記録から漏れている作品の存在が多数確認された。その位置づけ、評価については今後の課題としたい。(3)坪田理基男氏、坪田醇氏の取材を通して、人間坪田譲治の一面を知ることができた。今後の教材開発に活用できればと考える。同時に、<郷土の先人>としての譲治に対して一般市民・高校生が親近感を覚えるものとして利用できればと思っている。さらに、生家の模型の完成は、譲治の作品世界をより具体的に知る契機となるものである。