- 著者
-
山本 弥生
小渕 千絵
城間 将江
麻生 伸
- 出版者
- 一般社団法人 日本聴覚医学会
- 雑誌
- AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.4, pp.282-289, 2019-08-30 (Released:2019-09-12)
- 参考文献数
- 16
要旨: 聴覚障害児者の語音聴取能には時間分解能が関係しているとされている。本研究では, 聴覚障害乳幼児の時間分解能について検討するため, 聴覚障害乳幼児32名 (6カ月~6歳4カ月) を対象に, 振り向きやボタン押しなどの反応様式を用いたギャップ検出閾値課題を実施した。その結果, 聴覚障害乳幼児においてもギャップ検出閾値測定は可能であった。また, ギャップ検出閾値については, 裸耳聴力や装用閾値とは関係せず, 課題への集中度および年齢と有意な関係を示し, 正確な測定が可能となるまでには時間を要した。反応様式は3歳以降で自覚的応答へと移行して閾値が安定しやすく, この頃のギャップ検出閾値上昇は, 難聴による時間分解能への影響が示唆された。