著者
鈴木 泉 山本 正悟 塩山 陽子 藤田 博己
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第57回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2005 (Released:2005-10-17)

陸生ヘビ類へのマダニ寄生例に関する報告は少ない.そこで,宮崎県宮崎市内の1地域(K渓谷)でヘビ類を捕獲し,その種類と寄生マダニについて調査した.ヘビ類捕獲時に触診法と視診法でマダニ寄生が確認された場合には,飽血までヘビ類を飼育してマダニを採取した.また,マダニ付着を認めない場合も,許される範囲で約2週間飼育し,寄生の有無を確認した. 調査地域ではシマヘビ,ヤマカガシ,アオダイショウを主体に7種類のヘビの棲息が観察されている.今回,ヤマカガシ,マムシ,アオダイショウでマダニ寄生が認められたが,寄生種はタカサゴキララマダニ若虫のみで,成虫や幼虫の寄生は確認されなかった.また,フラッグスィープ法で行なった同地域のマダニ相の調査では,チマダニ属が優勢で,タカサゴキララマダニの採取例は希であった. 以上の結果から,ヘビがタカサゴキララマダニの生活環の中の一部に含まれていること,ヘビ捕獲法がマダニ相の調査に有用なことが示された.
著者
成田 雅 鵜沼 菜穂子 伊藤 文人 佐藤 憲行 星野 智祥 井上 実 山本 正悟 安藤 秀二 藤田 博己
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.164-167, 2012 (Released:2013-04-11)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

タテツツガムシによるつつが虫病の臨床像は多彩で見逃されることが多い.病歴(好発時期と好発地域,野外活動歴),バイタルサインと身体所見(発熱,比較的徐脈,発疹,刺し口)から積極的に疑い,疑わしければ直ちにテトラサイクリン系抗菌薬にて治療を開始すべきである.血清学的にはKawasaki型あるいはKuroki型のOrietia tsutsugamushi抗原に対する抗体価の上昇が特異的であるが,これらは一般的な外注検査での抗体価測定には含まれないことに注意する.痂皮の遺伝子学的検査も特異性が高く有用である.