著者
山本 眞理子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.351-358, 2000-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
14
被引用文献数
2

本総説は, 顔の印象を中心として外見が自己および他者に与える影響について, 筆者の研究を中心としながら, これまでの研究を概観したものである。まず, 印象を変化させるための外見の操作の問題を取りあげ, 同じ外見でも印象を変化させにくい側面とさせやすい側面とがあること, また, その操作可能性の高さによって変化させられる印象の内容に違いがあることが指摘された。ついで, 外見の情報が他者に関する情報処理の, 特に初期の段階に大きな影響をおよぼしていること, また, その影響の背後には, 外見のステレオタイプの存在があることが指摘されている。さらに, 外見の特徴により自他の行動がどのように影響されるのかその特徴が述べられている。最後に, 外見を通して自己の印象を管理するプロセスと, 自己の印象の管理に敏感な人とそうでない人との間に存在する個人差が議論された。
著者
金山 富貴子 山本 眞理子
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-131, 2003

我々は、日常生活において様々な他者と相互作用を行う中で、種々の感情を相手に対して持つ。このような、ある特定の人物に対する感情は、対人感情と呼ばれる。対人感情とは、"特定の他者に対する持続的な感情"であり、相手との ...This study aims to examine the structure of emotions toward a disliked person. Respondents were 143 undergraduate students who were asked to imagine a particular person who belonged to the same group they disliked and completed a questionnaire concerning their emotions ...
著者
金山 富貴子 山本 眞理子 Kanayama Fukiko Yamamoto Mariko
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-131, 2003-09-01

我々は、日常生活において様々な他者と相互作用を行う中で、種々の感情を相手に対して持つ。このような、ある特定の人物に対する感情は、対人感情と呼ばれる。対人感情とは、"特定の他者に対する持続的な感情"であり、相手との ...
著者
山本 眞理子 宮本 聡介
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

友人関係の進展に肯定的な期待を抱いているか否かによって,友人関係の広がりの速さや深さが違ってくることは想像に難くない.友人関係の発展に対する期待に顕著な文化差が存在すると,異文化間交流に重大な影響を及ぼすことにもなる.本研究の目的は,友人関係の進展に対して人々が持っているイメージ(メタ期待)の文化差を明らかにすることであった.3年間の補助金交付期間に,主に2種類の調査を実施した.調査の主たる目的は,自分とは面識はないが自分の友人と親しい関係にある他者に対してどのようなかかわり方を期待しているかを明らかにすることであった.第1の調査(学生食堂パラダイム)では,自分とは面識はないが自分の友人と親しい関係にある他者(Aさん)と学生食堂で偶然対面するという場面想定法をもちた.このときどのような振る舞いをするかを回答者に尋ねた.分析の結果,アメリカ人は日本人よりもその相手と親しい関係を作りたいと回答する一方,日本人はアメリカ人よりもその相手を避けようとする傾向が強いことが明らかにされた.第2の調査では自分の友人の友人とは親しい関係を作りたいというユニット志向と,友人の友人と自分とは別々の関係であると考える自律志向の概念を提出し,友人関係のメタ期待を測定する尺度を作成・検討した.分析の結果,友人関係志向には,ユニット志向,関係配慮,自律志向の3つのメタ期待が存在することが示唆された.このうちユニット志向は日本人よりもアメリカ人のほうが強いことが示された.以上の点から,友人関係のあり様に対する明確な日米差が存在することが示された.今後は,友人関係の維持および崩壊過程で,その関係にたいする振る舞い方の日米差を明らかにすることが期待される.