著者
塙 賢哉 福島 亜梨花 山本 詩子 廣安 知之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

fNIRS装置から得られる脳血流変化量が生体的な特徴と相関があるかどうかは議論の余地がある。本研究では、脳血流変化量を特徴量とし被験者の識別を行い、その結果の優位差を検討することで、着目する相関を議論する。本発表では、記憶タスク時に音環境を変化させた際に男女の成績の違いが見られた知的作業時の脳血流変化量をDeepLearningを用い,男女の識別を行う。結果から、着目する相関が見られることを示す。
著者
廣安知之 福島亜梨花 山本詩子 横内久猛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-02-24

2 つの異なる fNIRS 装置の脳血流時系列データから類似部分を抽出するアルゴリズム "Multipleanalogy Parts extracting algorithm (MaPea)" を提案する.MaPea では,完全一致部分だけではなく微小な差異を考慮した類似部分も抽出する.また,サンプル数の異なる類似部分を抽出することも可能にしている.脳血流時系列データが様々な要因に影響されていると報告されており,実際のデータは脳血流の活性化モデルと異なることが考えられるからである.また,時間軸上で時間差を持った類似部分の組み合わせも抽出できる.MaPea では,異なる時系列データ毎にベクトル化を行い,それらのコサイン類似度により評価する.2 つのデータセットから類似部分を動的計画法の概念を使い抽出する.MaPea の有効性を fNIRS 時系列データを使った実験により検証した.実際の fNIRS 時系列データを用いて脳機能の検定を t 検定を用いた解析手法と MaPea を用いた解析手法で行い,結果を比較した.MaPea による解析手法のほうが神経血管カップリングの理論にそって脳活動を探索できていた.以上より,MaPea が脳血流時系列データに対して有用であることが示唆された.
著者
廣安 知之 真島 希実 山本 詩子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.240-247, 2013-10

本稿では,言語性ワーキングメモリ課題であるリーディングスパンテストを用いて,ワーキングメモリ容量と脳血流の関係の検討を行った.脳血流量変化は脳活動を評価する指標の一つである.機能的近赤外分光法(fNIRS)は,脳血流の変化を検出するための非侵襲装置である.そのため,脳活動の活性化領域を把握することができる.本稿では,前頭前野背外側部(DLPFC)と左下前頭回(LIFG)を関心領域(ROI)として着目した.これらの関心領域の機能的な活性化はfNIRSを用いて検討した.DLPFCは注意の維持を行い,LIFGは言語処理を司るとされている.実験により以下の3点が得られた.まず,DLPFCとRSTの間で機能的な関係がみられた.被験者を高成績群と低成績群の二つのグループに分類したところ,低成績群の脳血流量変化は高成績群の脳血流量変化に比べて活性が大きかった.次に,両群においてLIFGでは活性パターンに違いがみられた.高成績群では活性が持続していたのに対し,低成績群では活性が低下した.最後に,低成績群のみにおいてDLPFCの活性が上昇した.In this paper, the relationship between a working memory capacity and a brain activity were evaluated using the results of a Reading Span Test (RST), which is a language working memory task. A cerebral blood flow change is one of the indexes of evaluating brain activities. functional Near-infrared Spectroscopy (fNIRS) is a non-invaded device to detect a cerebral blood flow change, so that it can be used to figure out the activated area of brain activities. In this paper, we focus on dorsolateral prefrontal cortex (DLPFC) and the left inferior frontal gyrus (LIFG) as regions of interests (ROI). Functional activation of these ROIs was examined using fNIRS. It has been reported that DLPFC is responsible for continuing cautions, while LIFG manages language processing. Through the experiments, the following three points were observed. First, the functional relation between DLPFC and RST was observed. The subjects were classified into two groups; a high score and a low score groups. The cerebral blood flow changes in of the subjects in the low score group were greater than that of the subjects in the high score group. Second, in the both groups, LIFG was activated with the different active patterns; In LIFG, the brain activity was constant for in the high score group, while it was declining in the low score group. Lastly, the brain activity in the DLPFC region for the low score group increased.