著者
山田 晋平 三宅 晋司 大須賀 美恵子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.295-303, 2012-12-15 (Released:2013-03-02)
参考文献数
33
被引用文献数
7 6

精神疲労を評価し得る指標の探索を目的として,文書によるインフォームドコンセントを得た15名の男子大学生に,暗算(20分間5試行計100分間)を課した.暗算の前後には安静(5分間)を取らせ,さらに疲労を回復させるための休息(約20分間)後にも安静(5分間)を取らせた.また,暗算の各試行と安静の後に,主観指標と視覚探索課題の作業成績を計測した.暗算中と安静中は、後述の生理指標を測定した.解析においては,精神疲労を対象とするため,安静時と暗算時の比較ではなく,暗算の前後と休息の後の3時点の安静時の比較を行った.その結果,疲労に関する訴え,視覚探索課題の探索時間,心拍数,鼻部血流量,心電図R-R間隔変動係数,心拍変動指標の低周波成分と総パワー値に有意な変化が確認された.これらの変化は,精神疲労によって生じたと考えられ,これらの指標で精神疲労を評価できる可能性が示唆された.
著者
山田晋平 中本幸一
雑誌
平成22年度情報処理学会関西支部支部大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-09-22

大規模な組込みシステムの複数プログラム領域間において,プログラムの想定外の動作による不正なアクセスを防ぐため,許可されたアクセスのみを可能とするメモリ保護機構を有するリアルタイムOSの設計を述べる.
著者
田村 祐典 中本 幸一 山田 晋平
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.32, pp.1-7, 2010-03-19

近年、プロセッサのマルチコア化が進む中で新たな並行処理同期法としてトランザクションメモリという技術が注目されるようになってきている.トランザクションメモリとはデータベースの分野で使用されるトランザクションをメモリのデータ管理に応用したものである.トランザクションメモリは従来の並行処理における共有データの同期制御法であるロックベースの排他制御の代替手法とすることが研究される.従来の同期処理手法である排他制御は危険領域を大きく取るか細かく取るかでトレードオフがある.大きく取る場合はプログラムは見やすくなるがスループットが低下する.反対に細かく取ればスループットは増加するがプログラムが見難くなり、予期せぬデッドロックの可能性も高くなる.トランザクションメモリは,一貫性が損なわれない範囲で従来危険領域とされる処理においてのスレッドの並行実行を許す.そのため,排他制御の問題の解決法として考えられている.プロセッサのマルチコア化は将来の組込システムの分野にも適応可能であると考えられ,汎用コンピュータの場合と同様にトランザクションメモリを使用することで利益が得られると考えられる.本研究はこのような観点の下,組込システムにおいて,トランザクションメモリの実装方式を検討するものである.Recently, as processor has become multi-core, transactional memory has been getting attention as a new memory synchronization method. The transactional memory is a memory management technology based on transaction used in field of database. It has been researched for expecting that it will be an alternative to a lock-based exclusive control in the traditional memory synchronization. The traditional exclusive control has trade-off between coarse-grained locking or fine-grained locking. The coarse-grained locking becomes easy to see the program, but throughput (concurrency) decreased. The fine-grained locking, increase throughput, but it becomes difficult to see the program and prone to programming errors. The transactional memory provides a solution to this problem because it allow multiple task to run concurrently in critical section as far as the consistency of data is not lost. In the field of embedded system, multi-core processer can be used too, so embedded system can benefit from transactional memory. Under this perspective, this study focus on applying transactional memory for embedded system, and design transactional memory for implemention into embedded operating system.