著者
三宅 晋司
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.391-398, 2015-12-20 (Released:2016-09-28)
参考文献数
19
被引用文献数
13
著者
山田 晋平 三宅 晋司 大須賀 美恵子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.295-303, 2012-12-15 (Released:2013-03-02)
参考文献数
33
被引用文献数
7 6

精神疲労を評価し得る指標の探索を目的として,文書によるインフォームドコンセントを得た15名の男子大学生に,暗算(20分間5試行計100分間)を課した.暗算の前後には安静(5分間)を取らせ,さらに疲労を回復させるための休息(約20分間)後にも安静(5分間)を取らせた.また,暗算の各試行と安静の後に,主観指標と視覚探索課題の作業成績を計測した.暗算中と安静中は、後述の生理指標を測定した.解析においては,精神疲労を対象とするため,安静時と暗算時の比較ではなく,暗算の前後と休息の後の3時点の安静時の比較を行った.その結果,疲労に関する訴え,視覚探索課題の探索時間,心拍数,鼻部血流量,心電図R-R間隔変動係数,心拍変動指標の低周波成分と総パワー値に有意な変化が確認された.これらの変化は,精神疲労によって生じたと考えられ,これらの指標で精神疲労を評価できる可能性が示唆された.
著者
曽我 知絵 三宅 晋司 和田 親宗
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.294-302, 2009-10-15 (Released:2010-12-03)
参考文献数
21
被引用文献数
1

近年,労働者の精神的ストレスは増大しており,ストレス評価機器の開発が求められている.我々はこれまでにストレスの定量評価のための研究を行ってきたが,過去の結果において,作業後の生理反応が作業前の状態に完全に回復しない場合が認められた.その原因を探るため,本研究では,作業時および作業後の感情状態と生理反応の関連性を明らかにすることを目的とした.18名の健常な男性に4段階の難易度に設定した計算課題を遂行させ,作業時および作業後に生じた感情状態と生理量を記録した.その結果,作業時には,RR間隔(RRI)と皮膚電位水準(SPL)が満足感や集中度の因子と関連する可能性が示唆され,鼻部血流量(TBF_N)と指尖容積脈波振幅(PTG)が低下した.作業後では,どの生理量と感情状態にも関係は認められなかった.また,RRIとSPLは作業後すぐに回復したが,TBF_NとPTGは回復に時間を要することが示唆された.
著者
三宅 晋司 佐藤 望 赤津 順一 神代 雅晴 松本 一弥
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.239-249, 1996
被引用文献数
1

室温のゆらぎ条件 (28~30℃: 1/fゆらぎに基づくもので, 平均45分の短周期ゆらぎと平均90分の長周期ゆらぎ) と28℃で一定の定常条件で温度制御を行い, 終夜睡眠ポリグラフおよび体表面皮膚温を測定した. さらに, 起床時に主観的睡眠感と温熱感の調査を行った. 被験者は健康な男子大学生12名で, 適応夜3夜の後, 3条件の実験を無作為の順序で行った. 睡眠時間は8時間 (11時30分就床, 7時30分起床) とし, 睡眠中はトランクスのみの裸の状態で寝具の使用も禁止した. 有効な10名についての結果では, 定常条件において stage IIの出現率が長周期ゆらぎ条件よりも多いことが示された. また, REM+徐波睡眠の全就床時間に対する割合を睡眠質の指標とした場合, ゆらぎ条件と定常条件間で有意差が認められ, ゆらぎ条件のほうがやや良い睡眠であることが示唆された. その他の各種睡眠パラメータおよび主観的睡眠感では条件間で有意差は認められなかった.
著者
木村 真三 三浦 善憲 高辻 俊宏 三宅 晋司 佐藤 斉 遠藤 暁 中野 正博
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

チェルノブイリ原発事故発生から30年後の被災地域において、一年間にわたってホールボディカウンタによる住民の内部被ばく調査、陰膳法による食事調査を行い、関連を分析。内部被ばく調査では、予備調査で最大23,788Bq/body, 本調査で最大7,437Bq/bodyの放射能が確認され、冬季は高く、夏季は低い傾向がみられた。食事調査では、年間合計で1,446サンプルを分析。森林由来のキノコ、ベリー類や牛乳で高い放射能が確認され、最大は乾燥キノコで24,257Bq/kgであった。30年経過時点でも食事から放射性物質を取り込んでいる実態が明らかになり、食生活の観点から被ばく予防を行う必要性が確認された。
著者
三宅 晋司 神代 雅晴
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.391-404, 1986-12-01

本研究では, 交通機関内などの騒音状況下でのヘッドホンによる音楽聴取が聴覚に及ぼす影響について検討した. 札幌市内の4つの交通機関内(国鉄, 地下鉄, 路面電車, バス)および街頭と地下街を歩行中の騒音を録音し, これらを防音室内にて再生した. その中で聴力正常な女子大学生に音楽をヘッドホンにて聴取させ, その際の聴取音圧(Most Comfortable Loudness)を測定した. 被験者は7名であり, そのうち2名(A群)は, あらかじめ用意した3種類の音楽(ロック, ポピュラー, ニューミュージック)を各2曲ずつ, 他の5名(B群)は各自が自由に選んだ2曲を聴取した. また, A群については, 各音楽種類毎に, 最も大きい聴取音圧の得られた騒音条件を選び, 同一条件で30分の音楽聴取を行い, 2分後の一過性難聴(TTS2)を測定した. さらに, 騒音および音楽の1/3オクターブバンドでの周波数特性, 音圧変動(変異係数)およびうるささ(noy)を求め, 聴取音圧との関連について検討した. 聴取音圧は街頭騒音下で最も大きいことが示された. 音楽種類間では, 聴取音圧に有意差は認められなかったが, 最も大きい聴取音圧はロックに対して見られた. TTSでは20dB近い値が一耳に認められ,騒音状況下でのヘッドホンの使用の危険性が示唆された.