著者
山田 玲良
出版者
札幌大学
雑誌
地域と経済 (ISSN:13491725)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.112-114, 2008-03
著者
櫻井 秀彦 丹野 忠晋 増原 宏明 林 行成 山田 玲良
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-18, 2019 (Released:2019-10-29)
参考文献数
25

本稿では医薬品卸と薬局間の医療用医薬品の納入価格の影響要因について実証研究を行った。降圧薬の薬価とその卸価格の差の薬価に対する割引率を分析対象とした。薬局に対する,ある医薬品メーカーの薬剤の割引率は,その薬局がメイン卸(最も高いシェアの卸企業)としている卸企業がその医薬品メーカーとどのような資本関係(系列関係)にあるかによって大きく影響を受けていた。強い系列卸をメイン卸とする薬局は,そのメーカーの医薬品を割引されない一方で,弱い系列や非系列の卸をメインとする薬局は大きな割引を得ていた。また,特許で保護されている薬剤には数量割引が確認された。更に,複数の薬剤を一括して取引して価格を決める総価取引は,割引率に大きな影響を与えないことが示された。
著者
丹野 忠晋 山田 玲良 櫻井 秀彦 林 行成
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

理論パートでは医薬品卸と医療機関の間の交渉力の差によってどのように上流の製薬メーカーの利潤に影響を与えるかについて定性的な結果を得た.現行の薬価制度では卸の交渉力が高いほど上流の製薬メーカーの利潤は高くなる.実証分析による主要な結論は,病院や薬局の規模が大きいほど総価取引になる確率が高まることである.一方で,取引する卸の数が多くまたは後発医薬品の利用割合が高いほど単品単価取引に移行する確率が高くなる.四大医療用医薬品卸は上流の製薬メーカーに様々な情報を提供しており,その対価が大きな利益の源泉になっていることが明らかになった.
著者
山田 玲良
出版者
札幌大学
雑誌
地域と経済 (ISSN:13491725)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.17-25, 2007-03

功利主義の代表的な政策評価原理である総効用主義と平均効用主義は、人口が内生的に変化するケースでは、それぞれ、いびつな社会状況をもたらす政策を推奨する危険性のあること(repugnant conclusion)が知られている。この問題は、総効用主義や平均効用主義が人口規模を独立に評価しないために生じる。平均効用とともに「人口の多さ」を評価できれば、いびつな社会状況の推奨を回避できる可能性がある。