著者
横川 浩治 井口 政紀 山賀 賢一
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.227-234, 1992-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
12

生態学的な知見の乏しいカサゴについて, 播磨灘南部沿岸海域を調査地区に選定して, その年齢と成長, および肥満度などに関する研究を行なった。相対成長に関しては, 香川県産カサゴの相対成長は九州産のものとかなり異なり, 成熟期の違いから考えても両者は別の系群である可能性が示唆された。耳石の輪紋数により推定された成長は, ほかの海域における知見と同様に, 雌は雄に比べてかなり成長が劣ることが明らかとなった。その原因としては, 雌は産仔期にかなりの栄養分を生殖腺に要求されるために肥満度が著しく低下するというサイクルを毎年くり返していることが考えられた。
著者
山本 昌幸 栩野 元秀 山賀 賢一 藤原 宗弘
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.362-367, 2002-05-15
被引用文献数
5 5

1997年4月から1998年9月に瀬戸内海中央部において,たも網により1661塊の流れ藻をすくい,それに随伴していた幼稚魚22科34種10816尾を採集した。流れ藻1塊あたりの幼稚魚の採集尾数と採集された魚類の種数は春に増加し,6月に最高値を示し,秋冬に減少した。春の優占種はクロソイ,メバル,クジメ,夏はアミメハギ,ヨウジウオ,ウマヅラハギ,カワハギ,秋はニジギンポ,アミメハギ,ヨウジウオ,冬はクジメであった。これまでの報告と比較した結果,本海域の幼稚魚相は太平洋より日本海に類似していた。