著者
岡井 治 多気 昌生 望月 篤子 西脇 仁一 森 卓二 藤尾 昇
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.271-278, 1979-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21
被引用文献数
5 1

低周波音 (8~50Hz; 105dB) における人体の反応を評価した. 低周波音は, 直接外気に接する聴覚器, 前庭器, 呼吸器に作用するものと思われる. そこで, 低周波音に全身曝露して人体反応を調べ, 次の結果をえた.i) 低周波音に敏感な人は, 閾値が低くかった. もっとも, 多くの人では, 他の報告と同じ閾値をもっていた.ii) 閾値付近で脳波の振幅が減少した.iii) 心拍数, 呼吸数は減少傾向を示した. 肺循環脈波は振幅が増した.iv) 血圧および身体の動揺は一定の傾向を示さなかった.
著者
長嶋 長節 竹宮 隆 樋口 雄三 宜保 美恵子 岡井 治
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.173-182, 1974

毛細血管血流に関する新しい理論と指プレチスモグルフィによる実験とから組織に流入する動脈血量と毛細血管に把握される血液量との間に相反性関聯をみとめた。また理論的にPlasma skiming (A. Krogh)および毛細血管ヘマトクリット減少性(Fahraeus-Linquist)更にヘマトクリット恒常性を解明した。実験的に血圧動揺性高血圧では相反性関連はみとめられず, 固定型にはみとめられた。また最小血圧は変らないで最大血圧の動揺する血圧動揺型高血圧で血圧上昇時に皮膚および骨格筋の異常な血流減少と下降時に異常な血流増大をみとめた。後者はI.H. Pageの所見と一致する。この循環機序として細動脈より半径の大きい中ないし小動脈に発生するいわゆるbeads like vasomotionを想定した。皮膚の反応性充血による血流増大の一部はアトロピンによって抑制されるのであるが, 上記の血流増大の一部はアトロピンによって抑制される(Page)。これらを総合して上記の血流減少はvasomotionによる血管収縮, また血流増大はその虚血に起因する反応性充血の血流増大であると理解した。