著者
岡崎 祥子
出版者
岩手大学語文学会
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.12-20, 2009-01-01

誰もが知っている古典といえば、『竹取物語』である。竹取の翁とかぐや姫を中心に、難題求婚譚、申し子譚、そして羽衣説話に通じる物語の構成をなしているものである。中には、平安文化を象徴する「あはれ」を思わせる内容も含まれ、『源氏物語』において「物語出来きはじめの祖」と称されるに至っているのは周知のことである。本研究においては、その『竹取物語』について、かぐや姫という存在に焦点をあて、考察している。具体的には、「かぐや姫が翁の元に現れ、再び月の世界へと帰っていくという流離の秘密を探り、かぐや姫が月の世界で犯した「罪」は何か、それに対する「罰」は何かについて考察する」という研究主題を設定し、『竹取物語』の世界観をもとにしながら研究を進めた。最終的には、かぐや姫の「罪」と「罰」について筆者自身の結論を導き出した。
著者
岡崎 祥子
出版者
岩手大学語文学会
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.12-20, 2009-01-01

誰もが知っている古典といえば、『竹取物語』である。竹取の翁とかぐや姫を中心に、難題求婚譚、申し子譚、そして羽衣説話に通じる物語の構成をなしているものである。中には、平安文化を象徴する「あはれ」を思わせる内容も含まれ、『源氏物語』において「物語出来きはじめの祖」と称されるに至っているのは周知のことである。本研究においては、その『竹取物語』について、かぐや姫という存在に焦点をあて、考察している。具体的には、「かぐや姫が翁の元に現れ、再び月の世界へと帰っていくという流離の秘密を探り、かぐや姫が月の世界で犯した「罪」は何か、それに対する「罰」は何かについて考察する」という研究主題を設定し、『竹取物語』の世界観をもとにしながら研究を進めた。最終的には、かぐや姫の「罪」と「罰」について筆者自身の結論を導き出した。
著者
丸橋 珠樹 岡崎 祥子 小川 秀司 Nilpaung Warayut 浜田 穣 Malaivijitnond Suchinda
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.28, 2012

2007年12月5日から2008年2月10日までの乾季66日間、158時間の観察時間のデータから、樹上活動時間割合は3%で、ほとんどすべての時間を地上で過ごし、移動は地上移動である。採食部位別時間構成は、果実50%、葉25%、種子24%である。昆虫食は頻繁にみられる。なお、石をひっくり返してカタツムリを採食しようとする行動がみられるが、実際に採食したのは観察158時間で4回に過ぎなかった。また、カエル(未同定)採食も1度観察され、内臓の一部を食べて遺棄した。<br> このような採食生態をもっているベニガオザルの、ウサギの捕獲、肉食が観察された。ウサギ捕食あるいは試みの3例の事例を報告する。2008年1月9日に、何か振り回して捨てていった所に近づいたところ、背中の皮を剥がれたウサギが残され、ウサギは飛び跳ねて森へ逃げていった(丸橋)。2011年10月14日、5歳雄のウサギ捕獲・肉食のVIDEO撮影に成功した(岡崎)。また、2011年12月29日にオトナ雌のウサギ肉食が観察され短時間のVIDEO撮影に成功した(小川)。<br> ベニガオザルのウサギ肉食行動観察の特徴として以下の点を指摘できる。1)肉食対象種はビルマノウサギ (<i>Lepus peguensis</i>) Blyth. 1855 (from Mammals of Thailand) である。2)ウサギが生きている状態で肉食が始まり、つまり捕獲し、その時点でウサギは断末魔の悲鳴を上げていた。3)ウサギの大部分、内臓も含めて消費され、観察時間内では、毛皮は食べられなかった。4)捕獲した個体がだけが継続して、移動しながら肉食し、最低7分半は継続していた。5)他個体の近接や近接個体の追随は見られるが、他の優位個体による奪取や残渣の拾い食いなどは見られなかった。議論では、同じ程度の大きさであるロリスとベニガオザルとの異種間行動についても報告し、反撃を行うロリス<i>Nycticebus coucang</i> (from Mammals of Thailand) では捕食にいたらなかった事例観察(丸橋)との比較を行う。<br> ベニガオザルにとって、ウサギ肉食行動は頻度が低い行動であると考えられ、群のなかで肉食経験のある個体は少なく、食物としての共有認識は低いと考えられ、その影響は個体間での競争や追随はほとんどみられなかったことにも現れている。