著者
杉山 幸丸 三谷 雅純 丸橋 珠樹 五百部 裕 ハフマンマイケル A 小清水 弘一 大東 肇 山越 言 小川 秀司 揚妻 直樹 中川 尚史 岩本 俊孝 室山 泰之 大沢 秀行 田中 伊知郎 横田 直人 井上(村山) 美穂 松村 秀一 森 明雄 山極 寿一 岡本 暁子 佐倉 統
出版者
京都大学学術出版会
巻号頁・発行日
2000-09

食う-食われる,エネルギー収支,どうやって子孫を残すか……サルたちはさまざまな生物的・非生物的環境とどのように関わりながら暮らしているのだろうか.本書によって,霊長類社会の研究者はその社会の生物学的背景をより深く理解でき,他の生物の生態研究者は霊長類における生態学的研究の最前線に触れられる.
著者
丸橋 珠樹 NILPAUNG Warayut 濱田 穣 MALAIVIJITNONG Suchinda
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.25, pp.46, 2009

ベニガオザルの採食生態を半野生群で現地調査した。調査地は,Khao Krapuk Khao Taomo保護区で,東経99度44分,北緯12度48分に位置している。現地調査は,2007年12月5日から2008年2月10日までの乾季の盛りに66日間実施した。<br> Ting群を対象として個体追跡を行った。この群れは人に対して警戒心が低く約2週間で観察者に慣れて,森林内でも追跡できるようになった。ただし,森林の一部は植生が非常に密生していて個体追跡するのが困難な場所が繰り返し出現するので,連続する個体追跡時間はさほど長くはなかった。<br> 食物は以下の4タイプに分類できる。(1)寺で出される食事の残りと道路沿いでの人からの餌,(2)バナナ,マンゴー,サトウキビなどの栽培果実,(3)二次林構成種である木本やつる植物,(4)昆虫,クモ,カタツムリなどの動物質。果実や種子食が主体であり,葉食は量的にも少なかった。<br> 2ヶ月あまりの調査期間に,二次林での果実の結実に応じて,群れは次々に食物を変化させていた。調査初期の最重要食物は<i>Zizyphus oenoplia</i> (L.) Mill. (Rhamnaceae)で,二次林の林縁に多数分布していた。調査期間の後半には<i>Leucaena leuccocephala</i> (Lam.) de Wit (Leguminosae-Mimosoideae)が長期間利用された。この豆は家畜を放牧する草原の周辺や道路沿い,あるいは農家周りなどに多数みられ,大きな群落をつくっていた。本種では,若い未熟果実も,完熟した硬い豆も利用され,長期間に渡って若葉を利用していた。分布密度は低いが訪れると多量に食べる食物種としては,大木となる<i>Ficus</i> sp.と<i>Manilkara hexandra</i> (Roxb.) Dubard (Sapotaceae)であり,この木を求めて遊動することも見られた。
著者
豊田 有 丸橋 珠樹 濱田 穣 MALAIVIJITNOND Suchinda
出版者
日本霊長類学会
巻号頁・発行日
pp.52, 2017-07-01 (Released:2017-10-12)

Food transfer is defined as the unresisted transfer of food from one food-motivated individual, the “possessor”, to another, the “recipient” (Feistner & McGrew 1989). This behavior has been described in different terms, including sharing, scrounging, and tolerbated theft, and it is usually accompanied by diverse behaviors such as begging, displacement of feeding spot, resistance of possessor, stealing, offering, and retrieving (Yamagiwa et al., 2015). Food transfer is mainly reported from apes, however, very few from genus macaca. Here we preliminary report food transfer behavior observed in stump-tailed macaques (Macaca arctoides) in Khao Krapuk Khao Taomor Non Hunting Area, Thailand. In this report, “Retrieving” - an individual takes food that another individual has dropped on the ground or placed there - is regarded as food transfer (see Yamagiwa et al., 2015). The aspect of transfer is different by the food item; transfer was more frequently occurred when they are eating food item that is not abundant and rare, or need to pay risk to obtain. Food transfer is often observed when monkeys are eating big food items which produce the food particles during eating. On the other hand, small food items or all-eatable food items are rarely transferred. Plant food transfer was observed not only among adults but also from adult to immature including transfer from mother to infant. Social interaction which can be interpreted as “Begging behavior” like presenting and greeting was also observed before food transfer occurred.
著者
湯本 貴和 山極 寿一 浅岡 一雄 丸橋 珠樹 Ndunda MWANZA
出版者
日本熱帯生態学会
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2+3, pp.233-238, 1995 (Released:2009-06-30)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

ザイール国の熱帯山地林に産する2 種のアフリカのナス属(ナス科)植物, Solanum dasyphyllum とS. aculeastrum の果実は森林ゾウによってのみ食べられ,種子散布されていることがわかった.他の動物は果肉に含まれる有毒物質のために,この果実を食わないことが示唆された.物質の同定などの探求がさらに必要であるが,植物が化学的な手段によって種子散布者を選んでいる最初の報告である可能性がある.