著者
尾崎 米厚 福島 哲仁 阿部 顕治 中川 昭生 岡本 傳男 山根 洋右
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.937-941, 1987

島根県農村部における輸入赤痢アメーバ症の2例について報告した。2例とも中華人民共和国のツアー中に, 北京にてスイカを食べており, これが感染経路と考えられた。<BR>症例1は, 帰路上海にて発症し, 患者は, 悪心・嘔吐・下痢・意識消失を来し, 上海病院に緊急入院し, 脱水症状に対する治療を受けた。帰国後, 糞便検査にて<I>Entamoeba histolytica</I>の栄養型が認められ, 赤痢アメーバ症と診断された。メトロニダゾールにて治療を行なったが, 高令で激症アメーバ性大腸炎を呈した本例においては, 効果があまりなく, チニダゾールの方が効果を示した。<BR>症例2では, 自覚症状が認められなかったが, 糞便検査にて, <I>Entamoeba histolytica</I>の嚢子型が認められ, キャリアと診断され治療を受けた。<BR>近年は, 都市部のみならず農村部においても海外渡航者が増えており, 旅行者における輸入赤痢アメーバ症の多発, およびその集団発生に, 今後注意を払う必要があるものと考える。
著者
行本 敦 橋本 悠 花山 雅一 小幡 善保 谷平 哲哉 清家 裕貴 岡本 傳男 市川 幹郎 寺岡 正人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.1460-1463, 2015-07-10 (Released:2016-07-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

症例は81歳,女性.呼吸困難感を主訴に来院した.来院時,舌の著明な腫大がみられた.高血圧に対し,エナラプリルマレイン酸を内服していた.同薬による血管性浮腫を疑い,同薬を中止し,入院とした.喉頭の浮腫は軽度であったため,7 Fr経鼻エアウェイを挿入し,気管切開は行わず,経過観察とした.72時間後には舌の腫大は改善し,発語も明瞭であった.同薬を中止し,経過をみているが,再燃はみられていない.